品確法抵触375件
198件で立入検査を実施
2019.8.25
 品質確保法が定める規格に適合しないガソリンや軽油などをSSで販売する事例が、平成30年度中に全国で375件あったことが、このほど資源エネルギー庁の発表で分かった。このうちごく軽微なものを除く198件について立入検査を行い、75件になお届出内容の不備や品質不適合などといった「指摘事項」が残されていたことも明らかになっている。

 平成30年度中に発生した事故や全国石油協会を通じて行っている試買分析などにより判明した品確法不適合事例は前年度と同数の375件。

 これら不適合事案については、ごく軽微なものを除きエネ庁や各地方経済産業局がSSへの立入検査を行うなどして「適正な品質のガソリン等の販売に関する指導」を行ってきているが、30年度も198件の立入検査を実施。そのうち75件に登録や届出内容の不備、書類管理や店頭表示の不備といったもののほか、品質の不適合や未分析などといった燃料油そのものに関する「指摘事項」が残されていた。

 前年度は不適合事例375件のうち245件の立入検査を行い、157件に指摘事項が残されていたが、それと比べれば立入検査前の「改善」が30年度には大幅に進んでいたことになる。

 なお、エネ庁ではこれらに併せ、特に消費者に影響を与えるおそれがあった違反事例として、荷卸し時の誤操作により灯油にガソリンが混入した事例と、地下埋設配管の腐食劣化によりガソリンに水が混入した事例についての発生原因や発生後の対処などを公表(別記参照)し、販売業者における品質管理の一層の徹底を求めている。


違反事例

(事例1)灯油にガソリンが混入
 ▼発生の経緯 SSの店長が顧客へ販売中に色相異常に気付き発覚。
 ▼発生の原因 タンクローリーの運転手が灯油とガソリンの2油種同時荷卸し作業を行ったところ、ローリー配管内のバルブが3分の1程度開いていたため、ガソリンが灯油と混在した状態で地下タンクに入った。
 ▼発生後の対処 全油種の販売停止。店頭告知、POS情報から顧客リストを作成。連絡が取れる現金顧客、掛売顧客、クレジット使用顧客に連絡。連絡先の不明な現金顧客に対しては給油所周囲へのポスティング、新聞6紙に折り込み広告、事業者HPに掲載。その結果、全量回収に至った。

(事例2)ガソリンに水が混入
 ▼発生の経緯 購入客からのクレームにより発覚。
 ▼発生の原因 地下水により腐食劣化した配管に穴が開き、当該ピンホールから給油時に地下滞水を吸い上げたことで燃料に水が流入。
 ▼発生後の対処 SSの営業を全面停止。店頭告知、プレスリリースを実施。カード会員等により判明した顧客に連絡。不具合の生じた顧客への修理対応を実施。


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5月13日(月)から5月19日(日)まで
価格上昇
一部に値戻しの動き

05月20日付掲載予定

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