札幌中心に値戻し
「下げすぎ」取り戻す
2019.9.5

フルSSでのレギュラーガソリン 看板価格は142円が大勢に  
 米中貿易摩擦に伴う世界経済の停滞懸念、イランを巡る中東情勢の緊迫化など原油価格をめぐり押し下げ、押し上げ要因が交錯する中で、今月第4週から第5週にかけて適用となった元売各社の仕切り価格は小幅ながら上昇。それに合わせ札幌市場やその周辺では、ほぼすべての販売業者が26日以降、5円程度の値戻しに動き、レギュラーガソリン看板価格はフル142円、セルフ139円大勢にまで持ち上がった。地方市場にも同様の動きが出た。

 札幌市場は、盆商戦を迎える今月中旬まで比較的安定した市況を形成していたが、元売が道内資本のコンビニエンスストアと提携し先月中旬から行っていたガソリン、軽油の5円値引きが引き金となり一気に軟化。レギュラーガソリン看板価格はフル137円前後、セルフ134円前後にまで落ち込んだ。

 各販売業者は危機感を募らせながらも、仕切り価格が下落する中で値戻しへの「きっかけをつかめず」にいたが、第4週から第5週にかけて適用となった元売各社の仕切り価格が小幅ながら上昇したのを受け、動きを加速させた。

 複数のSSを運営する経営者は「燃料油販売量が伸びない中での、さらには働き方改革などによる人件費などのコスト増が見込まれる中でのマージン減少はこたえる。本当はもう少し早く(値戻しに)動きたかったのだが、遅れた」と話す。

 今回、その多くは5円程度の値戻しに動き、レギュラーガソリン看板価格はフル142円、セルフ139円大勢にまで持ち上がったが、前出の経営者は「以前とは適正マージンの『適正』の幅が変わってきている。今後の状況にもよるが、再投資ができる健全な経営のためには臨機の対応が欠かせない」と、もう一段の是正も視野に入れているようだ。

 なお、28日までに道央圏や函館、旭川、北見などでも値戻しが進んだ。


北海道のガソリン価格予想
5月13日(月)から5月19日(日)まで
価格上昇
一部に値戻しの動き

05月20日付掲載予定

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