灯油商戦 はや始動
盤石な「態勢」構築急務
2019.9.25

 道内各地の最高気温が一気に20℃を割り込むなど、9月も下旬を迎え、灯油需要の本格化に備え準備を進めるところだが、今季は10月からの消費税増税に伴う仮需が発生、先読みが難しい、いつもとは様相が異なる「商戦前夜」を迎えている。ただ、深刻化する人手不足や働き方改革などを背景とした配送面の不安、都市ガスなどの攻勢といった課題、懸念は残されたまま。質・量ともに「売り負け」のない磐石な態勢の構築が急がれる。

 昨シーズンは、道内各地の初雪が11月後半にずれ込むなど暖冬もようとなり、10、11月の灯油需要は例年の7、8割程度で推移。生まれ値が90円台中盤にまで跳ね上がる中でも底堅い収益を確保したことから、質×量で何とか例年に近い数字は残せたものの、序盤は完全に「売り負け」たかたちとなった。

 今シーズンも長期予報などによると、似たような序盤になることが予想されるが、10月からの消費税増税に伴う仮需がすでに発生しており、先読みが難しい、これまでとは様相が異なる「商戦前夜」を迎えている。

 そうした中で、ますます深刻化する人手不足や働き方改革、ローリードライバーの高齢化などに伴う配送面の不安、さらには都市ガスや新電力とのセット販売で需要を伸ばすLPガスの攻勢など課題、懸念は依然として残されたまま。加えてサウジアラビアの石油施設が無人機攻撃を受け、生産能力の約半分がダメージを受けたことに伴う原油価格の急騰が、需要の押し下げ要因として急浮上してきている。

 ただ、灯油が販売業者の「命綱」である構図は従前と同じ。需給のタイト化などから収益環境は改善していると言われるものの、先々への投資に向けては灯油による今少しの収益上積みが欠かせない状況だ。

 仮需で前倒しとなる灯油商戦のスタートに当たり、質・量ともに「売り負け」のない磐石な態勢の構築が急がれる。


北海道のガソリン価格予想
5月6日(月)から5月12日(日)まで
価格上昇
実質ベースで仕切り価格が上昇

04月30日付ヘッドライン

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