久々に追い風「師走商戦」
灯油は序盤の不振挽回
2019.12.10

活況を取り戻した灯油、配送も佳境を迎えている
今年も残すところ1カ月を切り、師走商戦に突入した。暖かな日が続き伸び悩んだ灯油も真冬並みの寒波が入り込んで活況を取り戻し、スタッドレスタイヤやバッテリーなど冬物商品の販売もまずまず、ガソリンも「需要は旺盛」と久々に追い風が吹く。人手不足や安値店の攻勢など懸念材料も見え隠れするが、このままの勢いで乗り切りたいところだ。



 2回目の定期配送も終盤を迎えた灯油は、10月こそ暖かな日が続いて需要が極端に落ち込んだものの、11月初旬に「需要を1割押し上げる」と言われる雪景色になってからは前線を伴った低気圧の接近などもあって活況を取り戻し、とりわけ意気消沈していた「12月決算組」の顔色も次第に良くなりつつある。消費税増税に伴う駆け込み需要の反動もなくはなかったようだが、気にかける向きは今や少ない。

 また、スタッドレスタイヤやバッテリーなど冬物商品の販売は、ピークこそ過ぎながらも「まずまず」で推移。道央圏のあるSSでは、空気圧点検と重ね合わせたスタッドレスタイヤの引き続く売り込みで増販を果たしたりもしている。

 ディーラーの顧客囲い込みから車検はやや伸び悩んでいるようだが、コーティングや車販などは好調を持続、ガソリンも今年4月から7カ月連続で道内需要が前年を上回るなど「需要は旺盛」とするSSが多く、口銭も2桁に乗せたままだ。

 ただ、追い風に乗る今年の師走商戦も、先行きには懸念材料が見え隠れする。慢性的な人手不足や安値店の攻勢などがそれ。本道の今年9月の有効求人倍率は全国で最も低かったとは言え、それでも1・27倍となっており、働き方改革の進展と合わせて、それがサービスの低下につながるとすれば極めて残念。釧路や帯広、旭川、函館など安値店をめぐり適正市況の構築に苦慮する地域があるのも気にかかる。

 次代への生き残りへ先行投資を可能とする収益の確保が不可欠とされる石油業界。このままの勢いで何とか師走商戦を乗り切り、その次へとつなげていきたいもの。そうした意味で、今年の師走商戦は、将来への「試金石」にもなりそうだ。


北海道のガソリン価格予想
4月22日(月)から4月28日(日)まで
変わらず
仕切りにより、値上げも

04月25日付ヘッドライン

■膨らむ期待GW商戦 一気呵成の「挽回」期す
■「失敗は有効解導く手段」 札危協保安研修会で三田薫氏講演
■石販業者への配慮明記 官公需「基本方針」が閣議決定
■保有率77.6%、小幅減少 自工会が乗用車市場動向調査
■好調油販さらなる拡販に照準 フルの強み生かし道エネ環状通SS