道内業界「紆余曲折」
低マージン脱却へ道筋
2020.1.1
 今年も残すところ10日ばかり。順風と見られていた師走商戦が消費増税に伴う景気の冷え込みから思わぬ苦戦を強いられているが、道内石油業界のこの1年を振り返れば、ガソリンなどの小売りマージンが良好な水準で推移し、油外も総じて好調だった反面、働き方改革や人手不足などに伴うコストの増嵩もあって「紆余曲折」の1年だったか。そうした中、災害時におけるエネルギー供給の「最後の砦」として武装を強化した年でもあった。


 12月決算だという道央圏の販売業者は「市況が比較的安定していたこともあり、ここ何年かに比べれば良かった」と、この1年を振り返る。

 燃料油需要は漸減傾向で推移するものの、一昨年誕生したJXTGエネルギーや今年4月に経営統合した出光昭和シェルが業転市場や商社ルートへの製品供給を絞り込む一方、系列特約店、販売店などに採算販売を徹底したことから、一部地域を除いては安値競争が影を潜め、ガソリンなどの小売りマージンが引き続き良好な水準で推移。また、それぞれに知恵を絞って需要の掘り起こしを目指した油外販売も、総じて好調が伝えられたことから、販売業者の多くは「まずまず」の業績を残したようだ。

 ただ、その一方で人手不足や働き方改革などに伴ってコストが大きく膨らみ、さらには消費増税による景気の冷え込みから思わぬ苦戦を強いられるなど、好調を好調のままに実感できない「紆余曲折」の1年だったと総括する向きも決して少なくはない。

 そうした中、災害発生時におけるエネルギー供給の「最後の砦」として各販売業者が武装を強化したことも今年の大きな特徴。国の補助などによる非常用発電機の導入といったハード面の充実に加え、事業継続計画(BCP)の策定なども含めたソフト面がことのほか進展し、不得手だった業界の自己訴求も新たな道へ踏み出した。

 遠かった「春」をしっかりと手繰り寄せたこの1年。まだまだ人手不足など課題は残るが、次代を見据えた経営改革への道筋が見えたことだけは間違いなさそうだ。


北海道のガソリン価格予想
4月29日(月)から5月5日(日)まで
価格下降
仕切り価格値下げのため

04月30日付ヘッドライン

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