学究的な話の数々が人をうなずかせ、人を楽しませる。自ら「データに基づき法則性を見つることが好きだ」とも言うように、この人の「引き出し」は実に多い。
すでに取り溜めて30年近くにもなるという気温のデータからは「8℃以下の気温が3日続くと火が入り、そこから灯油シーズンが始まる」といった話や「1月下旬や2月上旬に雨が降ると灯油需要が細って期末の価格は落ち込む。逆に雨が遅いと価格は上がる」といった話が飛び出し、その先を楽しみに、聞く側もついつい膝を乗り出す。
今年の抱負も、どちらかと言えばそれに類したもの。これまで続けてきた燃料電池、つまりは水素に関する勉強を「商売も視野に入れ」ながら続けることだそう。燃料油需要の減退に伴う将来への危機感が背中を押してもいる。
一昨年、その分野では著名な大学教授や上場企業の経営幹部らが名を連ねる燃料電池開発情報センターの会員となり、以来、会合をはじめシンポジウムや展示会などにも顔を出して知識を積み上げてきている。
トヨタ自動車の豊田章男社長などは本格的な水素社会の到来を2050年と予測するが、今の草野氏にとって、極めて高い水素充填密度を実現した水素吸蔵合金の活用による「利便」の広がりが何にも代えがたい魅力のよう。どんどんと話の速度を上げながら、有用性や様々な可能性を具体例にも触れながら示す。そして「まだまだ先になると思うが、実は水素ステーションの設置も頭の中にある」と打ち明け、微笑んだ。
昨年の道内石油業界については「ガソリンなどの需要が減っていくという危機意識からか、量より質、値取りに動いた経営者が多かったような気がする」と分析する。また、軽油の外販を中心とする自社については「参院選に伴って公共工事の発注が遅れた、それが後々まで響いた」とも。
北海道のガソリン価格予想
6月30日(月)から7月6日(日)まで
価格上昇
仕切上昇
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06月30日付掲載予定
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