
世界保健機構(WHO)が「制御可能」としながらもパンデミックを宣言し、本道でも感染拡大の一途をたどる新型コロナウイルス。インバウンドの減少や不要不急の外出自粛が宿泊施設や飲食店などを直撃しているが、その影響はSS業界にも例外なく及んでいる。今のところ油販などでの「実害」は限定的と言われるが、スタッフの感染による休業や景気減速に伴う燃料油需要の減退など先行きへの不安は増すばかり。気の抜けない毎日が続く。
国内での感染者数が最も多くなっている本道では、これ以上の感染拡大を防ごうと先月28日に鈴木直道知事が「緊急事態宣言」を出し、以降、これまでに3週連続で週末の外出を控えるよう呼び掛けている。各企業などもこれに呼応し、不要不急の面談や外出に加え出張なども自粛、会議やイベントの中止などとも相まって道内経済は、その歩みを止めたかのような様相を呈している。
また、中国や韓国からの入国者に待機措置を課したことなどがインバウンドの減少に追い打ちをかけ、いつもなら外国人観光客で賑わう道内著名スポットも閑散としているのが現状だ。
こうした状況は、宿泊施設や飲食店などのサービス業を直撃。大胆な値下げで集客を図る動きがある一方で、倒産などといった「憂き目」も出始めているが、その影響はSS業界にも例外なく及んできている。
今のところ油販などでの「実害」は限定的だとする見方が多いが、マスクや消毒液の不足から感染防止対策が手洗いの励行くらいしかない中、スタッフの感染で余儀なくされるだろう休業への不安は深刻。ある販売業者は「命取りになりかねない」と話し、休業に伴う損失とともに風評被害の大きさも懸念する。さらに消費者側の「マスクをしていないスタッフのいるSSには行かない」という選択を甘受するしかないのも実情だ。
これらに加え景気減速に伴う燃料油需要の減退も気がかり。OPECプラスの減産協議決裂などで原油価格が急落し、値付けが難しくなりつつある中で「量」も大幅減少することになれば、死活問題に発展する可能性も決して否定できない。
いずれにしても新型ウイルスの感染拡大がもたらす影響は甚大。今、道内各市場では元売仕切り価格の大幅下落に伴う値下げが進むが、感染拡大へのコスト増を視野に入れた「自重」も肝要。気の抜けない毎日が続く中で、いつにも増して慎重な判断が求められることを意識すべきか。
北海道のガソリン価格予想
10月13日(月)から10月26日(日)まで
価格上昇
値戻し後に値下げも
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10月20日付掲載予定
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