新型コロナの感染拡大阻止へ
来店客にマスクを配布
2020.4.5

使用後のマスクの処理に役立つポリ袋の使い道 なども説明しながら来店客への配布を開始した
 新型コロナウイルスの感染拡大は例外にもれず石油業界をも直撃。外出の自粛や企業活動の停滞が燃料油需要を押し下げ、道内各地のSSからは悲鳴も聞かれるが、今、そうした状況を逆手に取った取り組みも出始めている。シェル系川原石油(名寄、斉藤みゆき社長)では、全社挙げてマスクを手づくりし配布、深刻化するマスク不足の中で来店客を喜ばせている。





 川原石油の手づくりマスクは、中途採用で2月から大橋SSに勤務する川中一さんの発案。同社では役職員全員に1日1枚のマスクを支給し、SSスタッフもマスクを着用して接客に当たっているが、来店客の中にはマスクをしていない人も少なからずおり、川中さんは折からのマスク不足を痛感したそう。また、そうした人達にマスクを着用してもらえば、感染に対する自己防衛にもなると考え、ネットを通し習得した手づくりマスクの試作品を添えて斉藤社長に提案したところ、即断即決で取り組むことになったという。

 以来、今月21日から斉藤社長をはじめ、事務を取る次女のえみかさんやSSスタッフ全員が「それぞれ手の空いた時間を活用」してマスクの作製に着手。材料は不織布のキッチンペーパーやサージカルテープなど、いずれも100円ショップで買い求めることができるものばかりだが、ゴム紐がなく困り果てた末、取引先でもある洋服直し店のアドバイスでジョーゼット(シボのある織物)を使用することにしたという「思わぬ苦労」もしている。

 斉藤社長によると「最初のうちはプリーツづくりに手間取った」そうだが、慣れてくると10分かからずに1枚を仕上げることができ、加えて「出来栄えも日々進化している」という。

 仕上がったマスクは素材である不織布の効果などにも触れたメッセージとともに「使用後のマスク処理に役立つ」というポリ袋に入れて24日から風連、大橋両SSで配布を開始。スタッフから手渡された来店客は「品薄で買えない中、とてもうれしい」と喜んだ。

 同社では当面、1000枚程度作製し配布することにしているが、材料さえあれば、感染の状況を見ながらマスクが潤沢に流通するまで続けることも考えている。

袋詰めされたマスク

斉藤社長やスタッフらが手の空いた時間を使い すべて手づくりのマスク作製に取り組んでいる


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4月29日(月)から5月5日(日)まで
価格下降
仕切り価格値下げのため

04月30日付掲載予定

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