身近になってきた水素
運搬で画期的研究進む
2020.4.30
 次世代クリーンエネルギーカーとして注目を集める燃料電池自動車だが、普及は今いちの感を脱し切れていない。昨年3月末の導入台数は全国で3036台で、前年度に比べ24%という大幅な伸びだが、台数では600台余の増加にとどまっており、年間約500万台の新車販売がある中での600台はあまりにも少なすぎる。

 導入が進まない理由として高額な車体価格が挙げられるが、ほかにも水素ステーションの少なさがある。昨年9月の道主催のイベントで試乗した30代男性は車の性能を高く評価しつつも「道内に水素ステーションが2カ所しかないのでは今すぐ購入とはならない」と語っていた。

 そんな中、水素ステーションの普及に大きな効果をもたらすであろう研究が今、民間企業で進められている。これまでの水素の運搬は水素をマイナス253度にして液体化し、堆積を800分の1に圧縮し特殊なローリーで運搬していた。それをトルエンと化学反応させ、常温で500分の1に圧縮して運ぶというもの。この化学反応物は常温・常圧で保管できるため普通のタンクローリーで運べる。また、トルエンは消防法でガソリンと同じ危険物なので既設SSの地下タンクなどがそのまま使えるという。

 まだまだ研究の余地はあるものの、SSに脱水素プラントと水素の純度を上げる装置を設置しさえすれば水素燃料の供給が可能となる。油種選択がハイオク、レギュラー、軽油、水素という時代が来るかも。 (祐)


北海道のガソリン価格予想
4月15日(月)から4月21日(日)まで
価格上昇
値戻し後に値下げも

04月20日付掲載予定

■広がる困惑、失望感 対量販構図変わらず 札幌市場
■昨年度、減少に転じ17件 危険物取扱者の違反行為
■3月決算組「まずまず」 収益環境の良化が支える
■消費、供給ともに減少 2022年度エネルギー需給実績
■42%が「月に1回以上」 GfKJapanが洗車で調査