危険物事故 高水準で推移
昨年も全国で600件超す
2020.6.10
 危険物施設が漸減傾向にある中で、危険物施設事故はここ10年、小幅な増減はあっても500件台後半から600件台前半までの範囲で推移しており、関係者の危機感は強い。消防庁がこのほど発表した令和元年の「危険物に係る事故の概要」でも、前年より減少したとは言え危険物施設における事故は589件に達し、高い水準となっていることが明らかになった。これに危険物施設以外の事故も含めれば、2年連続の600件超えという状況だ。

 消防庁のまとめによると、令和元年(平成31年1月~令和元年12月)中に発生した危険物施設事故は、全国で前年比11件減の598件。火災事故が12件増の218件、流出事故が23件減の380件だった。ただ、これに無許可施設や危険物運搬中、仮貯蔵・仮取扱い中といった危険物施設以外の火災事故4件、流出事故17件を加えると619件となり、2年連続の600件超えとなる。

 以下、危険物施設での事故に限るが、危険物施設数が前年の40万5238カ所から40万639カ所へと4599カ所減少し、事故発生件数も11件減少したことで、危険物施設1万カ所当たりの事故発生率は14・93と、前年の15・03を0・1ポイント下回った。

 ちなみに、過去30年で事故発生件数が最も少なかったのは平成6年の287件で、この時の危険物施設数が56万790カ所だったことと比較すれば「危険物施設が4分の3以下なのに対し、事故の発生は2倍以上に増えている」という状況が続いていることになる。

■ 火災事故

 このうち火災事故については、死者1人、負傷者37人と、ともに前年を下回ったが、損害額は24億円余り増えて55億8763万円。一般取扱所での発生が137件で最も多く、それに給油取扱所での31件、製造所での30件が続いた。

 出火原因物質は、危険物が97件で44・5%を占め、そのうち83件が第4類危険物。ガソリンなど第1石油類が37件で最も多く、重油などの第3石油類が20件、軽油や灯油などの第2石油類が11件などとなっている。

 発生原因は、56・9%が維持管理や操作確認が不十分だったことなどの人的要因、29・4%が腐食疲労等劣化や施工不良などの物的要因、13・8%が不明・調査中を含むその他の要因で、着火原因は例年と変わらず、静電気火花が40件、18・3%で最も多かった。


■ 流出事故

 一方で流出事故は、一般取扱所での発生が84件で最も多く、それに給油取扱所での71件、屋外タンク貯蔵所での70件、移動タンク貯蔵所での59件が続く。損害額は9億6039万円となり、前年を4億円余り上回った。

 流出した危険物は、第4類危険物が98・2%となる373件で、第2石油類が164件と、その4割強を占めた。

 発生原因は、火災事故と逆に物的要因が52・4%と40・0%の人的要因を上回った。物的要因では腐食疲労等劣化がその6割強を占め、破損、施工不良、故障がそれに続く。人的要因では操作確認不十分と誤操作とで半数以上を占めた。

 なお、SSを含む給油取扱所における事故発生は、火災事故が前年より8件増えて31件、流出事故が6件減って71件、合わせると2件増えて102件となっている。

◇道危機対策課の説明によると、道内で発生した危険物施設事故は火災9件、流出事故40件の合わせて49件だった。



北海道のガソリン価格予想
4月29日(月)から5月5日(日)まで
価格下降
仕切り価格値下げのため

04月30日付掲載予定

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