◎…新型コロナウイルスの感染拡大がやっとのことで一段落した今、改めてＳＳ経営のあり方を模索する特約店関係者が多い。 「新年度がスタートした４月、５月は新型コロナ騒動で春商戦、大型連休商戦どころではなかった」というのが実情のようだが、今月になって販売最前線であるＳＳを巡回し、 店長やスタッフと様々な角度から意見交換をしている特約店幹部は「今月が新年度のスタートという意識を持って新たな戦略を展開したい」と強調する。

　◎…自動車用エンジンオイルの国際規格が１０年ぶりに更新され、新規格に適合したエンジンオイルの切り替えが５月から行われてきている。当初、新規格オイルのキャンペーンが予定されていたが、新型コロナ禍で取り止めとなった。緊急事態宣言の全面解除によって、７月からの夏商戦を視野に「ＳＳ店頭でのキャンペーンを展開して新規格オイルの商機にしたい」との声が多い。

　◎…新型コロナ禍がより鮮明にしたとも言えそうだが、ＳＳは「量から質」への経営転換が課題になっている。ガソリン需要の減少は新型コロナ禍で一気に加速していると、特約店関係者の誰もが肌で実感しているはず。数量よりもマージン重視の経営で４月、５月はしのいだものの、夏商戦が視野に入った６月もマージン重視の経営を貫いていけるかどうかが今後の大きな課題になってくるということだ。

　◎…一方、不要不急のＳＳ店頭イベント自粛が求められている中で「夏商戦を前に今月末にかけて新規開店するＳＳのオープンイベントの規模を縮小するかどうかの検討をしている」と話す元売関係者。新規開店→オープンイベントという業界の常識も、新型コロナ禍で転換局面を迎えているようだ。

　◎…新型コロナ騒動が一段落する中でＳＳを巡回する特約店幹部。 「夏商戦の戦略づくりをするに当たって、店長やスタッフの生の声を聞くことが重要だ。現場ファーストの戦略を策定していきたい」と話す。