注目集める「GTL燃料」
工事現場への提供も一策
2020.8.25
 北海道がまとめた昨年3月末現在の道内燃料電池自動車台数は17台。道内の自動車保有車両数のうち登録車が約246万台に上ることを考えると、その数は極めて少ない。その17台のうち1台を国内建設業大手の戸田建設札幌支店が保有し、営業社員が社用車として日常的に使用している。この戸田建設はESG(環境、社会、企業統治)経営に積極的に取り組み、エコ・ファースト企業として環境大臣から認定されている企業でもある。

 今年3月から同社が手掛けている旧本社ビルの解体工事に注目が集まっている。工事に使う建設機械の燃料に、環境負荷が少ない軽油代替燃料のGTL燃料を東京都内の建設現場では初めて使用しているからだ。天然ガス由来のGTL燃料は、軽油と比較するとCO2排出量が約8・5%少なく、着火性が良く低温性能に優れ、寒冷地でも凍りにくいなど貯蔵安定性にも優れた燃料である。工事現場で排出されるCO2の約40%は軽油の使用に起因していると言われており、GTL燃料の活用は、CO2の排出量削減に大きな効果をもたらすと期待される。

 以前、後志管内のSSで店頭での燃料油販売量より新幹線工事用に配達する燃料油の量の方が大きいという話を聞いたことがある。コロナ禍の中で顧客が大幅に減少したが、工事現場への配達があるから何とかやっていけるという話もあった。環境の変化に対応した新商品の販売というのも今後の経営の手立てになるのでは。   (祐)


北海道のガソリン価格予想
12月8日(月)から12月14日(日)まで
価格上昇
11日補助金増額で値下げ

12月15日付掲載予定

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