灯油商戦に巣ごもり特需
人材確保は収益向上が鍵
2020.10.25
 ◎…コロナ禍の中で灯油商戦はどういった展開となるのか。2018年度、2019年度ともに全国的な暖冬の影響で灯油需要が低迷したが、販売業者筋には「寒さ次第だが、コロナ禍を背景とした巣ごもり需要が商戦の背中を押してくれるのではないか」との期待感が強まっている。


 ◎…全石連と都道府県石油組合が展開する「満タン&灯油プラス1缶運動」は消費者に浸透してきており、テレビのお天気キャスターも台風情報の中で「早めのガソリン満タンを」と呼びかけるケースが多い。積雪寒冷地では「灯油ホームタンク満タン」の意識を浸透させられるかどうかが課題のひとつだ。

 ◎…「毎年10月になると石油の安定供給の必要性を痛感する」と、ある特約店会長。47年前の1973年10月に第1次石油危機が勃発した。いわゆる第1オイルショックで、その後、1979年秋にも第2次石油危機に見舞われた。当時、ガソリン価格の高騰で石油業界が悪者扱いされ、省エネ策の一環としてSSの法制日曜休業が導入された。 「ガソリンなど仕入れが不足し、来店客からは高値を批判され、SSスタッフの疲労が想像以上に蓄積したことが今でも忘れられない」と前出の特約店会長。安定供給は販売最前線のSSにとって「欠かせぬ使命のひとつ」とも話すが、積雪寒冷地の生活必需品である灯油の安定供給は、それこそ何としても堅持しなければならない使命だ。

 ◎…ガソリン需要が全国的に回復の兆しを見せている。 「前年比で上回ることはないが、前月比で見れば、わすかではあるものの上回る傾向が見られる」と話す特約店幹部。 数量より収益の伸びを重視した戦略を実践できるかどうかを「今後の課題」として「灯油商戦はもとより12月、年末商戦へと突入したい」とも。

 ◎…SS店頭の人材不足は解消できているのだろうか。 「SSの収益力改善が人材の確保にもつながっていく」と話す特約店幹部。 「収益力の向上はSSスタッフの待遇改善に欠かすことができないし、スタッフ力の強化こそが収益力の向上を支える」と持論を展開する。ENEOSは今月から自動車用オイルの新ブランドキャンペーンを全国展開している。新ブランドの認知度を高め、オイル販売の拡大を促すのが狙いで、いち早くキャンペーンをスタートさせた。元売他社も今月中にはオイルをはじめとしたキャンペーンを展開することが見込まれ、カーメンテナンスの収益競争が激化することから「人材不足を解消し、スタッフの強化を急ぎたい」とも話している。


北海道のガソリン価格予想
5月6日(月)から5月12日(日)まで
価格上昇
実質ベースで仕切り価格が上昇

04月30日付ヘッドライン

■「採算販売」最優先に 北石連・商理事会が総会提出議案承認
■「まずは技術力磨け」 HNCが勝ち組SS応援セミナー
■基本方針への準拠求める 官公需で経産省が都道府県知事に要請
■LINEでショップカード 道エネチャレンジ西野3条SS
■油販増大へ集客策次々 東日本宇佐美セルフ山の手通宮ノ丘SS