期待大きい今冬灯油商戦
ラニーニャ、三の酉で厳寒
2020.11.15
◎…ある特約店の会長が「今年もあと1カ月半余りとなった。最近は歳のせいか1年が短く感じる。とりわけ今年は、正月気分も抜けやらぬうちに新型コロナウイルス騒動となり、あれこれ対応に追われた。今は来月からの師走商戦を前に、コロナ禍での新たな態勢構築が大きな課題だ」と話す。さらに「コロナ禍でガソリンなどの販売数量は全般的に伸び悩んでいるが、マージンは年初に策定した年間収益計画の目標値にかなり近づいている。目標達成となるかどうかは師走商戦の結果次第」だとも。これまでに経験したことのないコロナ禍で、小売業だけでなく様々な業界で経営体質が疲弊している。SS業界も例外ではなく、残り1カ月半ほどとなった今、年間収益の目標達成に向けて、経営者、SS店長、スタッフ全員参加による収益向上戦略の実践が求められる局面を迎えた。

 ◎…今年の夏は全国的に猛暑となった。その後は天候不順の日が多かったが、晩秋から初冬の季節を迎えた。 「11月の暦を見ると酉の日が3回あり、26日が三の酉。昔から酉の日が3回ある年は火事が多く、寒い冬になると言われている。灯油の売れ行きは寒さ次第であり、三の酉のいわれでいけば、今年は寒い冬となるだけに、灯油の先行きに期待したい」と話す特約店幹部もいる。気象庁によると、今年はラニーニャ現象によって、初冬は寒くなると予測している。前回、ラニーニャ現象が発生した2017年から2018年にかけては全国的に寒く、福井県などの北陸地方で豪雪被害が発生したことはまだ記憶に新しいが、三の酉、ラニーニャといったワードで今冬の灯油販売に期待する業界関係者は少なくない。寒冷地の生協配達灯油は前年を下回る生まれ値となったところが多かったが、寒さ次第で灯油の値動きも活発になるだけに、これからの寒さの行方が気になるところだ。

 ◎…ENEOSが東日本地域のSS店舗でカーリースの実証実験を展開し、来年4月にカーリースを全国的にスタートさせる方針だ。これにより先行するコスモ石油に次いで出光興産、そしてENEOSが加わることで来年4月にはカーリースがSS店舗の新規事業として加わり、元売会社間の競争も激しくなるのではないかといった見方もある。しかし、一方ではカーリースよりレンタカー事業を充実させたいという特約店も多い。コロナ禍でレンタカー人気が高まっていることもあって「カーリースとレンタカー双方のメリット、デメリットを検証して判断したい」とする声が聞かれ始めている。


北海道のガソリン価格予想
5月6日(月)から5月12日(日)まで
価格上昇
実質ベースで仕切り価格が上昇

05月10日付掲載予定

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