◎…今年もあと１カ月を切った。ＳＳ店頭に特約店社長の姿。本格的な師走商戦を迎える中、ＳＳ店長、スタッフを励ますとともに意見交換をするのが目的だという。コロナ禍の中で健康管理を優先し師走商戦が中盤となっている今、販売最前線で奮闘中の現場の生の声を把握し、これを反映した商戦終盤の支援策を打ち出すという。新型コロナに追われた今年。当初の年間計画の変更を余儀なくされたが、師走商戦も本番となり、納得のいく結果を出したいというのがＳＳ業界関係者の共通した思いだ。


　◎…新型コロナウイルスの感染拡大で需要の減少が顕著なガソリン。その一方で販売マージンは堅調に推移している。需要が減少する中で採算重視の姿勢を強めるＳＳが増えていることが背景のひとつにあげられている。ある特約店幹部は「販売数量を伸ばすという数量合戦は過去の遺物」 「新型コロナウイルスの感染拡大がガソリン需要減少の流れを加速させている」 「コロナ禍でガソリン販売の減少が加速した今、数量で稼ぐ時代は終わりを迎えた」と強調する。

　◎…師走商戦は年間を通して最大の繁忙期であり、書き入れ時とも称されている。ある特約店会長は「書き入れ時とは帳簿の記入に忙しい時。採算度外視で集客増加を図る掻き入れではなく、利益を書き入れるというのが本来の意味だ」 「この時期、稼ぎ時とも言われる。生計を立てるために一生懸命に働く、働いてお金を得るという意味で、類語は儲けるということ。この師走商戦では稼ぐ、書き入れ時を意識した取り組みが欠かせない」と持論を展開する。

　◎…コロナ禍によって師走商戦の時期も変化してくるようだ。仕事納めの２８日は月曜日。ＳＳ店頭は、２５日の金曜日が最も忙しくなるのではないかとの見方がある。一般企業の多くで、コロナ対策の意味から仕事納めを繰り上げるケースが多いと言われている。年末休暇の分散化などから、店頭でのピーク日の見極めに頭を痛める関係者もいる。