新生活様式下の師走商戦
神話崩壊 求められる自助
2020.11.25
 ◎…今年も流行語大賞の時期を迎えた。来月1日には大賞が決まるというが、ノミネートされた多くが、新型コロナウイルス関連で今年の世相を物語る。業界関係者からは「年初の正月気分を吹き飛ばした新型コロナウイルス。その後、石油業界のみならず国内の産業すべて、国民生活も一変した」 「国内の産業、経済が未曾有の危機にある中で、SS業界は経営危機を乗り越えた感があるものの、来月からの師走商戦次第では経営不振に陥りかねない」との声が聞かれている。師走商戦には従前から、ガソリンやメンテナンス販売が伸びる、という業界神話があるものの「コロナウイルスで生活様式が大きく変化した今、業界神話は崩壊した」 「プライベートSSの安値に対抗した量販策に転ずることが回避できない中で、来月からの師走商戦は、量より質の姿勢を徹底できるかどうかが問われている」と気を引き締める関係者が増えている。

 ◎…来月からの師走商戦を前に「接客重視の取り組みを継続することで顧客との信頼関係を構築し、安定したカーメンテナンス収益を目指す」と話すのはある特約店幹部だ。さらに「信頼関係があればこそオイル交換の時期も把握できる。顧客の車に見合ったオイルを推奨し、快適、快走を提供することが師走商戦のひとつのテーマだ」とも強調する。一方で「セルフでも創意工夫で顧客との接点を見付け、オイルなどの油外収益を向上させたい」と話すのはセルフSS店長。 「顧客との信頼関係を築くことがすべての油外販売につながっていく。ものを売るのではなく、セールスエンジニアとして顧客の愛車の安全、安心を最優先に自分を売りこむことが師走商戦のテーマだ」と持論を語る。

 ◎…来月からの師走商戦を前に、SS業界ではどういった姿勢で挑んでいったらいいのか、緊張感が次第に高まっている。年間を通して最大の繁忙期となる12月師走商戦。コロナ禍で生活様式が一変して初めて迎えるだけに、数量などすべてにおいて前年比でアップを追求するのは禁物だということを前提にした体制づくりが大きな課題になっている。ある特約店会長は「今の菅内閣は自助、共助、公助を掲げているが、我々SS業界には収益を重視した自助努力が欠かせず、元売会社が系列重視といった共助を、行政が中小零細に視点を合わせた政策展開といった公助を担うということになっていくのではないか」と話す。採算販売、マージン重視の自助努力を師走商戦で実践できるかどうかが問われながら、間もなく12月入りを迎える。


北海道のガソリン価格予想
5月6日(月)から5月12日(日)まで
価格上昇
実質ベースで仕切り価格が上昇

05月10日付掲載予定

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