灯油商戦「異常あり」
寒さ、雪なしに焦燥感
2020.11.25

配送用の灯油積み込みも頻繁になってきているが
 灯油の本格需要期に入って間もなく2カ月。消費増税に伴う仮需の反動減に泣かされた昨シーズンと比べれば「入りは上々」と言われるが、なかなか寒くならず、需要を加速させると言われる雪も一部を除き平年より少ない今、灯油に命運を託す販売業者には新型コロナウイルスの感染拡大とも重なり合ったボンヤリながらの焦燥感が広がりつつある。

 今年10月は、高気圧の張り出しで晴れる日がある一方、低気圧や気圧の谷の影響で曇りや雨の日も多いなど不安定な天候が続いたが、札幌管区気象台によると月平均気温は例年よりも高く、灯油商戦には逆風となる「高温・並雨・並照」の1カ月となった。

 11月に入っても、初旬にこそ12月中旬並みの寒気が道内各地に初雪をもたらすなどしたが、それ以降は特有の「きつい冷え込み」や重ねての降雪もなく、この時期としては比較的暖かな日が続いている。
 札幌圏のある販売業者は、暖冬と消費増税に伴う仮需の反動減とが重なった昨年と比べて「それほど悪くない数字になっている」と話すが、例年と比べれば「やや物足りない」とも。寒さや雪を欠く商戦への危惧はぬぐい切れないようだ。

 また、今シーズンは新型コロナウイルスの感染拡大という、これまでにはなかった不安要素も商戦に立ちはだかる。感染の再拡大に伴う「巣ごもり」が需要の後押しをしてくれるといった期待も一方にはあるが、吉・凶どちらに転ぶか、この段階で先行きを見通すことは難しい。

 原油価格の下落で昨シーズンより15円ほど安い製品価格や、25円に届こうとする分厚い口銭が救いにはなっているが、いずれにしても、ここまでの商戦は「異常あり」といったところ。 「やっと本番」と言える日はそう遠くないはずだが。


北海道のガソリン価格予想
4月29日(月)から5月5日(日)まで
価格下降
仕切り価格値下げのため

04月30日付掲載予定

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