◎…新型コロナウイルス感染拡大は、収束の気配が見られないままに1年を経過した。資源エネルギー庁がまとめた2020年1年間の国内の燃料油販売数量は前年比91・6%と大きく前年実績を割り込み、1967年以来、51年ぶりの低水準となった。主軸のガソリン販売は年間で前年比92・2%、1990年以来、20年ぶりの低水準となった。コロナ禍が石油製品の販売に大きく影響したことを改めて示した。 「コロナ禍によってガソリンをはじめとした石油製品の需要減少が加速した。2030年代半ばの新車販売電動化時代を前に、ガソリン販売は早くも正念場。ガソリン販売は冬から春の時代を迎えることができるのか」との声もある。
◎…一方、今冬は日本海側を中心に記録的な大雪に見舞われ、そうした中で電力不足が社会問題となった。 「灯油ストーブの存在が見直され、灯油需要が昨年末から年明けにかけて右肩上がりになった、と首都圏や西日本の同業者から聞いている」と話す特約店関係者もいる。しかし「消費者にとって電気やガスと比べ灯油は経済的で割安感があるが、販売業者にとっては採算意識が欠如すれば豊作貧乏になりかねない」との声もある。ガソリンばかりでなく灯油販売についても採算販売意識が欠かせなくなっているところだ。
◎…間もなく迎える3月の春商戦を前に、重点商品の選択を急ぐ特約店関係者が多い。ある特約店幹部は洗車を重点商品として掲げる。 「今年は昨年と比べて花粉の飛散量が多いとも言われており、洗車販売に全集中する。2030年代半ばに電動化時代が到来してもドライバーの洗車志向は根強いはず。将来的にも有望である洗車販売の囲い込みを急ぐのは当然」 「SSの店舗名についても洗車ステーション、カーケアステーションという意味合いが極めて強くなってきている」と話す。洗車やタイヤ販売の技術力、専門知識を修得したプロスタッフの育成、体制の構築が緊要の課題として浮上している。
北海道のガソリン価格予想
3月25日(月)から3月31日(日)まで
変わらず
仕切り上昇 小幅値上げも
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03月30日付掲載予定
■「赤字」横ばい37・1% 全国石油協会「石油業経営実態調査」 |
■緊急時対応の体制不備も 経産省の本年度LPガス立入検査 |
■油外の比重より大きく 春の戦略特集 |
■地域密着型SSづくり標榜 道エネベニータウンSS |
■季節商品の販売にも注力 地崎商事北27条SS |