◎…気がつけば4月春商戦まであとわずか。コロナ共生時代とも言われる中で、創意工夫で販売最前線のSS店頭と来店客との距離感を縮めることができるのか。脱ガソリン車という言葉だけが先走りしている昨今、元売会社と系列特約店、販売店が一体となった生き残り策の展開が今後のキーワードにもなってきている。
◎…来るべき脱ガソリン車時代を前に、SS店頭では鈑金や塗装ニーズを囲い込むことが欠かせない。洗車やボディコーティング、車内クリーニング、タイヤ販売など電動化時代でも直接左右されることのないものも同様だ。中古車や高経年車を対象にした点検、整備需要を囲い込むことが必要不可欠だ、といった声もある。ある特約店会長は「中期経営計画を策定しているが、ガソリンスタンドという名前にこだわらず、洗車ステーションという名称に変更することも検討している」と話し、さらに「電動化によるガソリンなど石油需要への影響の見極め、系列業者の取るべき対応を元売会社は早急に示すべきだ」とも強調する。
◎…こうした中で注目されているのが、全石連が20年前の平成13年にまとめた「石油流通業の構造改革ビジョン」だ。元売12社時代、競争が激化する中で石油流通業の今後を示した。「元売特約店連携型」「多角化型」「同業者連携型」「撤退型」のタイプ別問題点と打開のための方策を示した。報告書公表から20年、元売再編、脱ガソリン車時代を前に報告書の中身が改めて注目されている。
◎…中で撤退型については「これまではSS業界から撤退する場合、赤字経営に転落しても財産の切り売りなどによって事業の維持、回復を図ろうとするケースが多く見受けられた」 「しかしながら、こうしたケースではSS跡地を活用して事業転換や進出を目指すことも困難なことから、経営者のみならず従業員の生活の維持が困難となる危険性が高い」 「こうしたことから、継続的な赤字経営や損益分岐点の改善の目処が立たないSS等については、企業維持や他のSS運営等に悪影響が及ばないうちに思い切って集約廃止することも経営戦略のひとつである」と記述しているが、ある特約店会長は「政府はSS転廃業について何らかの資金支援措置を考えるべきだ」と訴える。
北海道のガソリン価格予想
3月25日(月)から3月31日(日)まで
変わらず
仕切り上昇 小幅値上げも
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03月30日付掲載予定
■「赤字」横ばい37・1% 全国石油協会「石油業経営実態調査」 |
■緊急時対応の体制不備も 経産省の本年度LPガス立入検査 |
■油外の比重より大きく 春の戦略特集 |
■地域密着型SSづくり標榜 道エネベニータウンSS |
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