乗用車が衝突し炎上した計量機
昨年1年間(令和2年1~12月)に札幌市内で発生した危険物施設事故(無許可車両、運搬中を除く)は、火災、流出、破損を合わせ35件。流出がほぼ半減となる一方で破損が大幅に増え、前年比3件増となっていたことが札幌市消防局のまとめで明らかになった。SSなど給油取扱所での事故は火災1件を含む25件と全体の7割近くを占めている。
昨年1年間に危険物施設で発生した事故は、火災1件、流出10件、破損23件、その他1件の合計35件。ここ10年は増減を繰り返しているが、前年比で3件増えている。
■ 火災事故
火災事故は、乗用車が計量機に衝突して配管が損傷したことからガソリンが漏れ、車両と計量機との衝突火花で引火したというもので、給油取扱所で発生している。
■ 流出事故
流出事故は、前年(19件)比でほぼ半減。一般取扱所で半数の5件、移動タンク貯蔵所、給油取扱所でともに2件、屋内タンク貯蔵所で1件発生しており、これら事故による危険物流出量は、件数が減ったにもかかわらず前年とほぼ同量、1万1378㍑だった。
事故原因は、操作確認不十分や誤操作といった人的要因が3件、腐食疲労等劣化といった物的要因が4件、そのほか不明が3件。
移動タンク貯蔵所から荷卸しする際に、移動タンク貯蔵所の吐出口と注入ホースの緊結が不確実だったことから緊結部が離脱し、軽油が敷地内に流出したというものなどがあった。
■ 破損事故
破損事故は、前年(13件)比で大幅増。そのうち22件が給油取扱所、残る1件が移動タンク貯蔵所で発生している。
事故原因は、交通事故2件を含め、いずれも物的要因。
給油取扱所で乗用車が計量機に衝突し、ノズルレバーを破損したといったものなど、施設利用者の不注意によるものも多かったが、給油取扱所敷地外で発生したバスと乗用車との交通事故で、乗用車が計量機のアイランドやキャノピー支柱の台座に衝突したといったものもあった。
なお、このほか無許可車両1件、運搬中1件の事故が発生しており、これらを含む危険物施設等事故は37件になる。