厳寒期の課題洗い出し
停電想定し手順を確認
2021.3.20

石狩ターミナルで軽油など燃料を積み込んだ
北海道経済産業局と陸上自衛隊北部方面隊は9、10日の両日、厳冬期の道央圏での大地震と道内全域の停電を想定した「災害時燃料供給合同支援訓練」を展開。自衛隊車両への燃料油充填、住民拠点SSなどでの荷卸しを通して課題の洗い出しを行い、輸送手順も確認。10年を迎えた東日本大震災や胆振東部地震の経験を踏まえた実践的な訓練を展開した。


 平成23年3月に発生した東日本大震災では、被災地の多くで石油製品の輸送、供給が滞り、救助や復旧活動に支障をきたす状況が出現。資源エネルギー庁から要請を受けた自衛隊がドラム缶に詰めた軽油などを被災地に搬送し、供給を支援したものの、解決すべき課題が浮き彫りになった。

 また、平成28年4月の熊本地震では、元売各社による「災害時石油供給連携計画」が初めて発動され、一定の成果が見られたが、資源エネルギー庁と防衛省は以降、災害発生時における燃料油供給ノウハウのさらなる拡充を図るため、全国各地で合同訓練を実施してきている。

 本道では、北部方面隊が平成27年8月に展開した災害対応演習「ノーザンレスキュー」に合わせて行ったのが最初。昨年はコロナウイルス感染拡大の影響で冬期訓練が中止となり、今回が夏冬合わせて8回目、冬に限れば4回目の訓練となる。

 胆振東部地震発生時には、発生が冬期間だった場合の被害拡大が懸念されており、今回は道央圏での大地震発生により道内全域で停電し、各重要施設が北海道に燃料の供給を要請、北海道が陸上自衛隊北部方面隊に燃料供給要請をしたとの想定による訓練。初日は自衛隊が苫小牧埠頭オイルターミナル事業部石狩ターミナルで燃料タンク車1台に軽油6kl、大型トラックの200㍑ドラム缶14本にA重油2klのほか、軽油や灯油、ガソリンを充填した。

 このあと札幌市指定避難所の真駒内セキスイハイムアイスアリーナで、トラック積載の灯油とガソリン、A重油入りドラム缶を荷卸し。灯油はポリタンク、ガソリンは携行缶に移し、施設職員が暖房機器と発電機に給油して暖房機を点火。A重油は自衛隊が暖房用の地下タンクに給油する訓練を実施した。

 翌日には、小口燃料配送拠点の北海道エネルギー白石配送センターと住民拠点SSの同札幌流通センターSSで燃料タンク車が軽油を地下タンクに荷卸し。また、配送センターでは民間の配送が困難になったことを想定し、自衛隊の燃料タンク車に軽油を給油した。

 さらに情報通信施設のNTTドコモ月寒ビル等でも燃料タンク車が軽油を地下タンクに給油するとともに、トラック積載の軽油入りドラム缶を荷卸しし、衛星移動無線基地局車などに給油して稼働を確認した。 

札幌流通センターSSの地下タンクに荷卸し

衛星移動無線基地局車に給油して稼働を確認


北海道のガソリン価格予想
4月15日(月)から4月21日(日)まで
価格上昇
値戻し後に値下げも

04月20日付掲載予定

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