記録的な大雪に悩まされ続けた灯油配送
3月下旬になって道内各地の雪解けが一気に進み、寒波の呼び戻しも期待薄となる中で今冬灯油商戦は最終盤に入った。今シーズンを総括すれば、コロナ禍や序盤の暖冬、その後の大雪などに翻弄されながらも量、質ともに確保。そうしたことから「まずまず」といったところだが、一方で配送をめぐる課題がより鮮明に浮かび上がった商戦とも言えそうだ。
需給の引き締まりや採算販売意識の高まりなどから、ガソリンなどの自燃油をめぐる収益環境は依然として良好を維持しているが、そうした中でも道内石油販売業者にとって灯油が「命綱」であるのは従前と同じ。新型コロナウイルスの感染再拡大で先読みは難しかったものの、今冬灯油商戦への期待は大きかった。
ところがシーズン入りした10月は月平均気温が例年より高く、灯油商戦にとって逆風となる「高温・並雨・並照」の1カ月。翌11月も、初旬に12月中旬並みの寒気が初雪をもたらしたが、それ以降は暖かな日が続き、「暖冬と消費増税に伴う仮需の反動減とが重なった一昨年よりはいい」というものの販売業者をやきもきさせた。
冬らしくなったのは12月に入ってからだが、それまでとは一転、真冬並みの寒気と警報級の大雪に見舞われ、岩見沢では配送ローリーが雪のため立ち往生、稚内では港に近い油槽所までローリーがたどり着けないといった事態も発生。需要の増大と引き換えに大きな苦労を背負い込んだ。
一方、70円台後半でシーズン入りした灯油価格は、しばらく大きな振幅もなく、各販売業者が採算販売に徹したことで20円を超す口銭を確保。年明け以降、仕切り価格の上昇に転嫁が追いつかないというケースも散見されたが、寒波のたび重なる襲来で増大した需要が相殺した。
そうしたことで商戦を総括すると、コロナ禍や序盤の暖冬、その後の大雪などに翻弄されながらも量、質ともに確保したことで「まずまず」だったと言えそう。
ただ、住宅の高気密高断熱化などから灯油消費量が減少し、それに伴い定期配送での1回当たり給油量も減少してきている中で、これまでも課題となっていた配送の効率化を、大雪が改めて鮮明に浮かび上がらせた、とも言えそうだ。
北海道のガソリン価格予想
3月25日(月)から3月31日(日)まで
変わらず
仕切り上昇 小幅値上げも
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03月30日付掲載予定
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