主要市場 市況2極化
札幌など大幅軟化進む
2021.4.25

札幌市場の価格は割れているもののフル141円、セルフ139円看板も (15日現在)
 道内主要市場のガソリン市況が揺れている。しばらく安定した市況を形成してきた札幌市場では、3月末にオープンしたコストコ併設ガスステーションの安値に触発されてか仕切りを大きく上回る値下げが進み、函館や旭川、釧路では地域最安値を標榜する量販店の攻勢で市況の構築すらままならない状態。比較的安定している他市場と2極化をなす。


 札幌市場では、3月第3週後半から底上げが進展、フル152円、セルフ149円大勢にまで持ち上がったが、以降、4月入り早々に3円、第3週早々に3円、さらにまたすぐに3円と、徐々にペースを上げながら軟化が進展。15日の時点でセルフ看板価格はボトムで137円80銭となるなど140円割れが主流となり、フルも149円を残しながら140円台前半が目に付くようになっていった。

 この間、元売り仕切り価格は、ENEOSの場合で差し引きゼロ。3月30日に先行オープンしたコストコホールセール石狩倉庫店併設のガスステーションが掲げた安値の影響を指摘する声もあるが、他方で「理解しにくい値下げ」といった声も多く聞かれる。

 また、地域最安値を標榜する安値量販店の攻勢に悩まされているのが函館、旭川、釧路。今月第3週に入って値戻しが進んだ函館はその後、やや落ち着きを取り戻しているが、旭川、釧路では底上げや値戻しが1、2日で崩れるといった状況が続いており、ある販売業者は「量販店がどう出てくるか、毎日がドキドキの連続」だと明かす。市況の構築すらままならない状態は、帯広や北見など比較的安定した市況を形成する他市場と2極化をなすものだ。

 一向に収束の気配を見せないコロナ禍でガソリン需要は依然として減退したまま。こぞって収益確保を目指さなければならない時だけに、無念さはより大きく広がる。改めて「質」の重要性に思いを至らせるべき、といったところか。


北海道のガソリン価格予想
4月15日(月)から4月21日(日)まで
価格上昇
値戻し後に値下げも

04月20日付ヘッドライン

■広がる困惑、失望感 対量販構図変わらず 札幌市場
■昨年度、減少に転じ17件 危険物取扱者の違反行為
■3月決算組「まずまず」 収益環境の良化が支える
■消費、供給ともに減少 2022年度エネルギー需給実績
■42%が「月に1回以上」 GfKJapanが洗車で調査