石油連盟北海道石油システムセンター所長 藤井 勝実氏
灯油需要の維持に努力
2021.5.6
 2018年9月に胆振東部地震が発生した際、北海道における9月単月のポータブル式石油ストーブの出荷台数は、1年間の出荷台数に相当する量となり、それが10月も続いた。 「これは道民の方々の灯油と石油ストーブに対する信頼感の表れではないか」と、石油連盟北海道石油システムセンターの藤井所長は語る。

 4月1日付で前職の日本ガス石油機器工業会から現職に就いた。まだ着任して1カ月ほどだが、灯油を取り巻く環境の厳しさを痛感している。 「北海道の灯油販売量はピーク時より40%以上減少している。これは他エネルギーとの競合、人口の減少、省エネ意識の高まりなどが原因だと考えるが、一方で全道に張り巡らされた灯油の供給網や使い続け慣れ親しんだ灯油に対する信頼感など、灯油需要の維持と灯油文化を守るためにできることはまだまだある」と抱負を話す。

 そのために「業界の垣根を越え、幅広く関係者に会って現場の話を聴き、ヒントを得て、情報発信につなげていきたい」と言う。今はコロナ禍で、札幌以外の関係先を訪れていないものの「できるだけ早く各地の石協さんにごあいさつに伺いたい」と、行動が制約される中にあっても意欲的な姿勢を見せる。

 災害対応としては、エネルギーのベストミックスによるリスクの分散を粘り強く訴えるとともに「脱炭素社会に向けどういう対応をとっていくべきか」と新たな課題への取り組みも模索している。

 北海道での勤務は2001年から5年間のジャパンエナジー北海道支店以来2度目。15年ぶりとなる北海道の春の寒さを経験し、改めて冬の厳しさに思いをめぐらすとともに、今年2度目(3月に東京で堪能)の満開の桜を見ることを楽しみにしている。
 
 ふじい・かつみ=昭和35年生まれ60歳、神奈川県川崎市出身。大学卒業後石油精製と非鉄金属の日本鉱業に入社。元売の再編を経て今日のENEOSまで長く石油関係に携わり、九州と大阪を除いた全国の支店で勤務経験を有する。
 あいさつ回りが一段落したら、これまで続けてきたトレーニングジム通いを再開したいと話す。


北海道のガソリン価格予想
7月29日(月)から8月4日(日)まで
変わらず
仕切りによっては値下げも

07月30日付掲載予定

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