札幌で中古車査定研修
今後を見据え知識習得
2021.5.20

座学や実技を通し査定の重要性や 手順などについての学びを深めた
 今後、SSで取り扱う油外商品の中核に位置付けられることが予想される中古車の販売、買取。その際に不可欠となる「査定」の研修が8日、中古車オークション会場の札幌オートオークションで行われ、遠く函館や北見などからの参加を含む11人が査定の重要性や手順など「通常なら2日分」の内容を座学、実技で学び取った。道内初の研修で、参加希望者が多かったもののコロナ禍で絞らざるを得ず、今月28日に再び行われることが決まった。


 この中古車査定研修は札幌石協(河辺善一理事長)が主催し、ホームネットカーズが運営を含め全面協力したもの。講師は大手自動車メーカーで新車開発を担当し、リース部門の出口戦略にも携わったという自動車流通市場研究所副理事長の峯島英二氏が務めた。

 冒頭、あいさつした河辺理事長が「新しい情報を取り入れ、業界の活性化につなげてほしい」などと激励したあと研修に入り、座学前半で峯島氏は、中古車市場の現状や将来性などとともに「査定力」の必要性や重要性などに言及した。

 中で高価格化、低価格化の2極化が進む中古車販売は中小企業向けのビジネスで、とりわけ顧客数が多く継続的な接点がある上に店舗経費や人件費などの経費がかからないSSに大きなチャンスがあることを強調。

 その際、仕入で「8割が決まる」ことや、品質が良いか悪いか程度の差を説明できることで販売が確実に増えることなどを訴え、高い査定力が求められることを多くの事例も交え説明した。

 また、ガリバーなど中古車を扱う大手に共通するのは「下取り、買取に強いこと」だとし、販売と下取り、買取との違いを様々な観点から説明するとともに、販売に当たっては車両履歴情報を説明して売る時代になることなども示した。

 座学後半では、査定の見方や考え方、フレームの種類と定義、パネル区分と修復歴の定義、外装瑕疵記号と事例、オークション評価基準例などについて説明。

 さらにオークション用車両での実習では、パネルの名称や区分などを確認するとともに、参加者それぞれ外装のキズや凹みの拾い上げも行った。

 峯島氏は最後に、研修のまとめとして「安全を確認してから決心するのでなく、どうしたらできるのか考えてほしい」と述べ、中古車ビジネスへの踏み出しを求めた。

 なお、研修には参加希望が多かったものの、コロナ禍の影響で数を絞らなければならなかったことから、札幌石協では今月28日に江別市内のUSS札幌で同様の研修を行うことを決め、21日から改めて募集を行うことにしている。


北海道のガソリン価格予想
4月15日(月)から4月21日(日)まで
価格上昇
値戻し後に値下げも

04月20日付掲載予定

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