安心・安全・快適を強化し
「電動化」にも備え夏商戦
2021.7.15
 ◎…いよいよ夏商戦がスタートする。コロナ禍による2年目の商戦はどういったものになるのだろうか。 「先の大型連休でも、前年比ではなくコロナ前の一昨年比の商いを徹底したが、夏商戦も前年比ではなく、一昨年比でどういった数量、利益を出せるかが課題」と話す特約店幹部。コロナ禍1年目の昨夏は大きく売上げが下がった。背中が低い昨年比では、数字の上で伸びるのは当然の成り行き。それよりもコロナ禍前の一昨年比で算盤勘定をすることが欠かせない、といった共通認識だ。利益率重視の姿勢で挑まなければならない夏商戦を前に緊張感を抱く特約店関係者が多い。

 ◎…2035年電動車時代に向けて、ガソリン需要は間違いなく減少していく。そうした中でマージンを減らすことは結果的に経営悪化を加速させることになる。全石連の森洋会長は「新たな投資ができるようなマージンを確保し、持続可能な業界を目指してやっていかなければならない」と先の総会で強調。再投資への原資を確保するため採算販売の必要性を訴えた。夏商戦では一昨年比で利益率をどこまで伸ばせるのか。量より質、経営内容の質のアップが問われている。

 ◎…一方、政府の脱炭素議論の中で炭素税が浮上しているという。カーボンプライシングをめぐる議論が活発するなど社会環境が変化。この流れで炭素税の導入が議論されているようだ。石油業界は消費税とガソリン税など石油諸税の二重課税の解消を政府に求めているが、これに加えて炭素税導入反対も今秋の税制改正要望の柱になるとみられる。加えて2035年新車販売100%電動化を前に電気自動車(EV)の保有比率が増えている。現在、EVに用いる電気には自動車燃料税は課されていない。課税の公平性確保という観点から税制の検討を求める声も高まっている。

 ◎…「安心・安全」というフレーズ。東京オリンピック、パラリンピック開催の前提にも用いられている。しかし「このフレーズはSS業界が本家本元。昭和50年代から店頭で安心・安全・快適をキャッチフレーズに安全点検サービスを提供してきており、セルフSSでも安心・安全・快適を実践している」と語る特約店幹部。2035年新車販売100%電動化に向けても安心・安全・快適の提供態勢でその波に備えることが欠かせない。このためにも今夏は徹底した商道で挑まなければならない。


北海道のガソリン価格予想
4月22日(月)から4月28日(日)まで
変わらず
仕切りにより、値上げも

04月25日付ヘッドライン

■膨らむ期待GW商戦 一気呵成の「挽回」期す
■「失敗は有効解導く手段」 札危協保安研修会で三田薫氏講演
■石販業者への配慮明記 官公需「基本方針」が閣議決定
■保有率77.6%、小幅減少 自工会が乗用車市場動向調査
■好調油販さらなる拡販に照準 フルの強み生かし道エネ環状通SS