秋冬は「3つの力」で勝負
気になるディーラーの動き
2021.10.15
◎…今年もあと2カ月半あまり。昨年は新型コロナウイルスの感染拡大でガソリン販売数量が前年を割り込んだSSが多かった。今年も前年こそ上回ったものの「コロナ禍前の一昨年並みまでには手が届かない。マージン重視、利益追求の姿勢で何とか凌いだ 」と話す特約店関係者。 「今冬の灯油商戦もガソリンと同様に利益追求が欠かせない」とも強調する。数量よりも利益、量より質という意識が浸透するかどうかが今後の2カ月半余りの大きな課題だ。

 ◎…元売は秋から年末にかけ、採算販売の継続を柱にしながらカーメンテナンスの収益力強化の必要性を訴える。 「元売販売子会社が採算販売を貫徹できるかどうか。年末までの販社姿勢がガソリン市場の行方を握っている」と話す特約店関係者。販社や元売が出資している大手特約店の動向を注視する関係者は少なくない。

 ◎…カーメンテナンスについては、カーディーラーなどの動きが気掛かりな材料だとも言われている。カーメーカーなどの新車生産台数縮小という流れの中、新車が売れない→車の買い換え停滞→中古車が市場に流れないといった悪循環で乗用車の車齢が高齢化することから、カーディーラーなどが整備事業の収益強化に取り組んでおり、SSとの間でカーメンテナンス争奪戦が激化するのではないか、と懸念する声もある。

 ◎…ある特約店幹部は話す力、聞く力、対応力の「3つの力」をフルに発揮しカーメンテナンス収益を増強しなければならないと力説する。ある特約店は独自に接客サービスについて調査した結果をベースに、改善状況を確認して顧客満足向上につなげるという。

 ◎…今月6日は「石油の日」だった。昭和48年10月6日に第1次石油危機が起こって48年。半世紀も前のことで、今ではSS業界でも当時の騒動をリアルに体験した関係者は少ない。石油需要の縮小、コロナ禍による需要の減退、そして政府による2050年カーボンニュートラル宣言、2030年代半ばをメドにした電動自動車への生産移行。 「この50年近くでSS業界を取り巻く環境は大きく様変わりした。給油所からガソリンスタンド、SSという流れの中で、EV対応型カーステーションとして生き残らなければならない」と強調する関係者もいる。


北海道のガソリン価格予想
4月15日(月)から4月21日(日)まで
価格上昇
値戻し後に値下げも

04月20日付ヘッドライン

■広がる困惑、失望感 対量販構図変わらず 札幌市場
■昨年度、減少に転じ17件 危険物取扱者の違反行為
■3月決算組「まずまず」 収益環境の良化が支える
■消費、供給ともに減少 2022年度エネルギー需給実績
■42%が「月に1回以上」 GfKJapanが洗車で調査