黒字経営 今こそ不可欠
「脱炭素」は世界的潮流に
2021.11.15
◎…ある特約店の会長は「今年もあと1月半余りとなった。今年は正月気分も抜けきらないうちにコロナ禍であれこれ追われた。新規感染者数が減少している今、来月からの師走商戦を前に新たな態勢構築が大きな課題だ」と話す。さらに「コロナ禍でガソリンなどの数量が全般的に伸び悩む中で、マージンは年初に策定した年間収益計画の目標値にかなり近づいている。目標達成となるかどうかは師走商戦の結果次第だ」とも。これまでに経験をしたことのないコロナ禍で、小売業だけでなく各業界の経営体質が疲弊している。SS業界も例外ではないが、全国的に新規感染者数が減少し残り1月半となった今、年間収益の目標達成に向けて経営者、SS店長、スタッフ全員参加型の収益向上戦略の展開が課題となっている。

 ◎…今シーズンの灯油商戦はどういった展開になるのだろうか。ラニーニャ現象で、昨シーズンに引き続き今シーズンも寒さが厳しい、と気象庁は予報で伝える。灯油を取り巻く環境はエネルギーの多様化、人口減少の加速で需要が減少するなど厳しいものがある。加えてカーボンニュートラルを背景に灯油から他エネルギーへのシフトが加速する、といった見方もある。さらには原油価格高騰の影響も避けられない。各種マスコミ、テレビのワイドショー番組などがガソリン、灯油、重油などの価格上昇を伝える。中でもワイドショー番組の素人コメンテーターが、価格上昇に伴う節約術などを話す。 「こうした報道が需要減少を加速させている」と話す特約店経営者。 「高値による消費意欲の減退を警戒しながらもマージン重視の商いが欠かせない」との声が高まっている。

 ◎…世界の潮流はカーボンニュートラル。こうした流れにSS関係者のみならず石油に携わる関係者は不安感を抱いている。2030年代半ばにかけてハイブリッド車の比率が上昇するとの見方がある。これによってガソリンの需要は減少することにもなるが「それまでに再投資可能な利益の確保、黒字経営、利益追求の姿勢を盤石なものにしていかなければならない」と強調する関係者も多い。そうした意味からも、今シーズンの灯油商戦、さらに来月からの12月商戦で収益アップ、黒字経営を目指さなければならない。


北海道のガソリン価格予想
9月30日(月)から10月6日(日)まで
価格下降
仕切り価格小幅上昇も

10月05日付掲載予定

■14市が価格改定見送る 道内35市燃料油納入価格
■国の政策も見据え支援 福祉灯油で道の山谷局長 3定道議会
■8月の国内燃料油販売 15カ月連続前年割れ
■出光apolloONEに新業態 鹿児島にレンタカー専門店
■日本初、合成燃料を一貫製造 ENEOSの実証プラント完成