持続可能な経営の構築へ
欠かせぬコスト追求姿勢
2021.11.25
◎…街角ではクリスマスイルミネーションが目につくようになってきている。こうした光景を見るにつけ「今年もあとわずか」だと思う、そんな季節を迎えた。新型コロナウイルスの新規感染者数は全国的に減少しているものの油断は禁物。SS関係者は緊張感を持ちながら12月商戦の準備を急いでいる。

 ◎…緊急事態宣言が解除される中、原油価格の高騰によるガソリン価格の値上がりで需要の回復にどういった影響が出てくるのか、12月商戦を前に不安感を抱く関係者は多い。 「ガソリン価格値上がりの背景は原油価格の高騰だけに限らず、ガソリン税などにも消費税が課せられる二重課税が要因になっていることをユーザーも理解してきている」と話す特約店経営者。最近、ネットニュースでガソリンが高値だと報じられると、コメント欄に当分の間税率(旧暫定税率)の廃止、二重課税撤廃など数多くのコメントが寄せられる。 「不公平税制の解消」を求める流れが強まっているようだ。

 ◎…さて目の前に迫った12月商戦。コストが急上昇するのに伴い「転嫁が急務」というのがSS関係者の共通認識だ。ある特約店経営者は「持続可能な経営には適正利益が不可欠」だと話す。「SS業界は需要規模の縮小や慢性的な人手不足、後継者不足など問題が山積している」 「SSで収益を出しながら、それを新技術や新商材の研修、社員教育、充実した福利厚生などに充てていかなければならない」とも強調する。原油価格高騰の中で迎える12月商戦。安易な価格競争を戒め、コストを追求した販売姿勢を貫いていくことこそが欠かせないものとなる。

 ◎…ところで「ガソリン価格が値上がりする中でも、SS店頭でのセーフティチェックの必要性を来店客は再認識してきている」と話す特約店幹部。定期的なオイル交換などに限らずタイヤの空気圧チェックに至るまで給油客自ら依頼してくるケースが増えてきているという。 「ガソリン価格の値上がりが続く中で、燃費改善のための方策として給油客自身、定期的なチェックの必要性を感じていることの現れ」との見方を示しながら「給油客のニーズに応えながら安全・安心・快適走行の拠点として12月商戦に臨みたい」と決意を新たにするSS関係者は多い。


北海道のガソリン価格予想
4月15日(月)から4月21日(日)まで
価格上昇
値戻し後に値下げも

04月15日付ヘッドライン

■浮沈をかけ「春商戦」 油外増販で油販穴埋め
■昨年も自主廃業375件 人材難主因 中央会調査
■過去10年で最少 27件 札幌での危険物施設等事故
■災害対応能力強化事業 石油協会が補助申請受付け
■成約率など前年上回る USSの2023年度中古車オークション