政府の原油高対策に懸念
消費者の誤解払拭必要に
2021.12.15
 ◎…全国的に新型コロナウイルス感染者数が減少する中、いよいよ師走商戦入りとなった。コロナ禍前のような商戦となるのかどうか、関係者の期待は高まっている。しかし、政府の原油高騰対策の影響を懸念する声も聞かれる。中でもガソリン市況が170円を超えた場合に、最大5円の範囲で国が補助し仕切り上げを防ぐ施策だが、給油客が「170円になると店頭価格が下がる」と誤解するケースも懸念材料のひとつだ。


 ◎…仕切りを前提にしたコスト販売、利益追求は商いの基本。政府の原油高騰対策は今月下旬にも導入されるが、マージン改善のための値上げに少なからず影響が出るのではないかとの見方もある。さらに「こうした対策が発動されれば、安値販売合戦が展開される可能性もある」と危惧するSS関係者もいる。

 ◎…また、対策が発動されれば値下げになるという誤解を払拭することが欠かせない。すでにガソリン高値圏の中には170円を超えたところもある中で「小売価格は流通コストを含め経営判断で決めるもの。発動時点で170円以上のSSに店頭価格の引き下げを強要するものではないことを政府はアピールしてほしい」 「170円という数字だけが一人歩きすることが懸念材料だ」と政府に注文をつける関係者は多い。

 ◎…さて今年も残すところ20日余り。カーケア商品の販売促進を積極的に展開しなければならないと、決意も新たにSS店頭は師走商戦モード全開だが、新型コロナウイルス感染の第6波、インフルエンザの同時流行が懸念されている中で、感染防止対策も忘れてはならない場面だ。また、オイル交換やコーティングはもとより、カーディーラーやカー用品店との競合合戦が展開されるのもこのシーズン。ある特約店経営者は「商圏内のユーザーを対象に、ガソリンの給油や洗車、メンテナンス作業を行うための車両引き取り、給油、作業後の車両届けサービスを行うなどユーザーの利便性を追求している。待ちの姿勢ではなく、自らが動く攻めの姿勢も必要になっている」と語る。コロナ禍との共生、政府の原油高騰対策など様々な課題を抱えた師走商戦。あの手この手のアイデアを駆使しながら良い結果を出したいというのがSS関係者の共通の願いだ。


北海道のガソリン価格予想
12月9日(月)から12月15日(日)まで
価格下降
先週末値戻しも

12月10日付ヘッドライン

■未改定、据え置き19市に 道内35市燃料油納入価格
■BCP策定率35.0%に 道が調査
■「冬のキャンペーン」今季も 灯油購入者対象に日高石協
■仕上げにこだわって洗車増販 前側石油本通SS
■高額洗車お試しキャンペーンも 客単価アップへキタセキ札幌新川SS