「地元優先」広がり欠く
地域要件 依然変わらず
2021.10.20
 間もなく訪れる冬に向け、灯油やA重油を中心とした官公需の入札が各級機関で行われ一段落した。国の方針に基づき中小事業者等への配慮は行き届いてきたようだが、災害時協定と表裏をなす「地元」への配慮はどうだったのか。道の出先である振興局などの入札参加資格の絞り込みは広がりを欠き、相変わらず目立つ広域業者の安値落札に失望感が広がる。

 昨年9月に行った燃料油調達の一般競争入札で後志総合振興局、後志教育局が参加資格を「道内に本店を有し、管内に本店、支店又は営業所を有すること」から「管内に本店を有し、各地区内に本店又は支店、営業所を有すること」へと絞り込むことで地元「優先」に道を開いている。

 それを受け北見石協や紋別石協、留萌石協など地方石協の多くが振興局や教育局に対し同様の絞り込みを求める要望書を提出。災害発生時の対応にも懸念が残る広域業者の、実勢を無視した安値落札に一定の歯止めをかけようと動いた。

 ところが年度をまたいだ今でも、参加資格の絞り込みを行った振興局などはごくわずか。その多くは「道全体の問題であり、独自の判断はできない」などとして従前からの参加資格のまま入札を行い、減っていると言われながらも広域業者が安値で落札するというケースが目に付く状況だ。

 ある販売業者は「まともな価格で勝負できるのならまだしも、業転、仕切りを割るような安値では話にならない」と失望感を隠さない。また、別の販売業者は「こうした要件での入札なら参加したって無駄だ」とも。実際、参加を見送る販売業者は増えてきている。

 国等の契約の基本方針では、最新の実勢価格や需給の状況等を考慮することとし、適切な地域要件の設定を行うことともしている。参加資格の絞り込みは、管内に本社や本店がない石協組合員の入札参加を閉ざす「諸刃の剣」にもなるが、これ以上の失望をしない施策の展開が求められる。


北海道のガソリン価格予想
4月15日(月)から4月21日(日)まで
価格上昇
値戻し後に値下げも

04月20日付掲載予定

■広がる困惑、失望感 対量販構図変わらず 札幌市場
■昨年度、減少に転じ17件 危険物取扱者の違反行為
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■消費、供給ともに減少 2022年度エネルギー需給実績
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