主要市場、即刻「転嫁」
フル店頭170円超えも
2021.10.30

札幌市場ではフル169円
 需給ひっ迫懸念などから原油価格は騰勢を強め、元売仕切り価格は10月に入ってからだけでも4週連続、累計で9円値上がり。これを受け道内主要市場では即刻「転嫁」の動きを強めている。22日までに4回の転嫁を進めた札幌市場では、未達分も含めて11円ほどを乗せた販売業者が多く、レギュラーガソリン看板価格はフル169円、セルフ166円大勢にまで持ち上がった。同様の動きが進む稚内や名寄などでは170円超えの看板も出ている。

 アフターコロナを見据えた世界的な経済活動の再開やOPECプラスの追加増産見送り、主要国での電力・ガス不足などを背景とした需給ひっ迫懸念から原油価格は騰勢を強め、原油コストの増大から元売仕切り価格も上昇。10月に入ってからだけでも4週連続、累計で9円に及ぶ値上がりとなっている。

 そうした状況を受け道内主要市場は、即刻「転嫁」の動きを強めた。札幌市場では、ほぼすべての販売業者が今月1日から未達分を含め3円、7日から2円、14日から3円程度を転嫁。さらに22日から3円程度の転嫁を進め、レギュラーガソリン看板価格はフル169円、セルフ166円大勢にまで持ち上がった。今後も原油価格の値上がりが予想される中で「素早く対応し、コロナ禍で厳しさを増す状況を乗り切りたい」とする声は当然ながら強い。

 函館市場では、2週連続の値上げを嫌う販売業者もあって頻度こそ少ないが、是正への意欲は旺盛。きょう25日にも6円程度の転嫁を進め、フル168円、セルフ165円水準にまで持ち上げたいとする販売業者の声が伝えられる。旭川市場も3円程度の上げ幅となりそうだが、ほぼ同様だ。

 また、安値量販店の攻勢に苦慮する釧路市場でさらに8円程度、帯広市場でも6円程度の転嫁に向けた販売業者の動きが急。これが進めばフルは170円台に乗るが、稚内、名寄市場などではすでにフルで170円超えの看板が出ている。

セルフ166円看板が中心


北海道のガソリン価格予想
4月22日(月)から4月28日(日)まで
変わらず
仕切りにより、値上げも

04月25日付ヘッドライン

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