生活支える最賃引き上げ
企業への支援も欠かせず
2022.8.30
アルバイトなどの賃金の目安となる最低賃金。先月もこの欄でここ数年の決定に至る流れや今年の状況を示したが、本道における最低賃金は31円アップと過去最高の引き上げ額となり、時給920円で10月2日適用される見込みだ。ただ、この金額に落ち着くまでには労使双方の引き上げに対する考えに大きな隔たりがあり、8日の北海道最低賃金審議会では北海道労働局への答申採決で、使用者側の委員5人全員が反対したことでも今年は異例の決定だったと言える。

 新型コロナウイルスが拡大した一昨年は苦境に立たされた経営者に配慮し据え置き、昨年は生活苦を訴える労働者の意見を尊重し28円引き上げた。この時、労使双方が納得できる審議の確保等が附帯意見として盛り込まれたことから、今年の審議は納得いくまでに時間がかかり大きく遅れた。本道でも労働者側は早期に1000円をと要望、使用者側は企業の支払い能力を大きく超え、目安をも上回る引き上げは到底納得できないと主張。審議会答申でも「労使の意見の一致を見るに至らなかった」と報告している。

 労働者を守るか、企業を守るか。どちらも欠かせないことだが、やはり国(中央審議会)が目安を示すのであれば、企業への支援も必要。笛吹いて踊らずでは何の意味もない。特に今般のコロナ禍で企業の疲弊は明らかであり、きちんとした補助、支援策を講じた上で大幅な賃上げにしないと、企業の倒産、働く場の喪失にもなる。     (祐)


北海道のガソリン価格予想
5月13日(月)から5月19日(日)まで
価格上昇
一部に値戻しの動き

05月20日付掲載予定

■経営安定化へ総意結集 北石連・商が通常総会・総代会
■商取引阻害要因を排除 函館石協が通常総会
■常に「丁寧なアテンド」 平和石油セルフ美原
■脱炭素の推進など盛る 道の予算要望
■元売大手3社が2023年度決算