札幌市場ではフル163円
道内主要市場の多くが市況の構築に苦慮している。一部量販店が安値攻勢を仕掛け、それに追随する販売業者が少なくないからだ。札幌市場では元売仕切り価格の大幅上昇に合わせ今月早々、8円程度の転嫁、値戻しが進んだが、翌日には量販店が5円近い値下げに動くなど値崩れ。価格高騰に伴う消費者の安値志向が強まる中で、販売業者には危機感も漂う。
札幌市場では今月2日頃から、各販売業者が元売仕切り価格の大幅な上昇に合わせ、その転嫁と値戻しに動いた。上げ幅は8円程度となり、レギュラーガソリン看板価格はフル166円、セルフ163円大勢にまで持ち上がったが、翌日、量販店セルフが158円80銭看板を掲示。これに複数の販売業者が追随し、ここ数カ月と同様の「上げては下げる」値崩れが進展することとなった。
ある販売業者は「コロナ禍の拡大や価格の高騰で燃料油需要が減退している。健全な経営を維持していくためには170円を少し超えるくらいの価格設定が必要で、昨今の状況は考えにくい」と話すが、価格高騰に伴う消費者の安値志向が強まる中で、追随も「頭の隅に入れてある」というのが実情のよう。
今月第3週からの仕切り価格は、国の燃料油価格激変緩和事業による補助金を織り込むと実質1円60銭の値下げ。さらなる値下げが懸念され、危機感が漂う。
こうした状況は他市場でも同じ。今月初めの底上げが不調に終わった釧路では「不当廉売が疑われる」ような看板価格が出現。これまで比較的固い市況を構築してきた北見でも「他管に引っ張られ」て、セルフながら150円台の看板価格が出ており、函館では10日ほどで一気に10円近い軟化が進んだ。
セルフ160円看板が大勢 (今月16日現在)
北海道のガソリン価格予想
5月5日(月)から5月11日(日)まで
価格下降
仕切り価格下落か
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05月10日付ヘッドライン
■2029年度 1億2220万klに 石油製品需要見通し |
■期待失せ盛り上がり欠く 価格高騰が追い打ち GW商戦 |
■自給率15.3%に上昇 2023年度エネルギー需給実績 |
■市町村・特別区で97%に 地方公共団体の非常用電源設置 |
■好調車検「まだまだ取る」 道エネ東白石SS |