不当廉売ガイドライン改定
総販売原価の把握、精緻化
2022.11.25
 ガソリン販売などにおける公正な競争の確保に向けて公正取引委員会はこのほど「ガソリン等の流通における不当廉売、差別対価等への対応について」(ガソリンガイドライン)を改定した。改定は、①総販売原価のより精緻な把握②影響要件の明確化③より実効性のある事件処理─を柱としており、公取委では「ガイドラインに則し、個別の事案に対して迅速、厳正に対処していく」としている。

 公取委では、ガソリンなどの販売業を取り巻く経営環境の変化などを踏まえ、法運用の透明性を一層確保するとともに事業者の予見可能性をより高めるため、平成21年12月18日策定の現行ガイドライン改定に着手し、今年9月20日に改定に向けた原案を作成して10月21日まで意見を募集。提出された意見を検討する中で原案を一部変更し成案を得た。

 改定は、①総販売原価のより精緻な把握②影響要件の明確化③より実効性のある事件処理─が大きな柱となっている。

 総販売原価のより精緻な把握に向けては、販売費や一般管理費といった共通経費の配賦の考え方を明確化するため、配賦基準として「売上高、売上総利益、利用割合」などを例示。

 また、本社組織である人事部や経理部における人件費、交通費、通信費も総販売原価に含まれることを明記し、必要に応じて廉売を行っている事業者に、その根拠資料の提出を求めることができる、とした。

 さらにクレジットカード決済手数料を「特段の事情がない限り可変的性質を持つ費用と推定される」と明記。ポイントの提供についても、値引きと同等の機能を有すると認められる場合は「対価の実質的な値引きと判断される」として、ポイントを利用する消費者の割合や提供条件、利用条件といった判断の際の「要素」を示した。

 影響要件の明確化については、過去に不当廉売規制の影響要件を満たすと判断し排除措置命令や警告の措置を取った具体例を示して「他の事業者の事業活動を困難にさせるおそれ」のある事案を明確化するとともに 「排除措置命令や警告に至らない場合であっても、不当廉売につながるおそれのある行為に対して多数の注意を行っている」ことを併記。

 より実効性のある事件処理に向けては、厳正に対処する事案として、①大規模な給油所(月商750kl以上)に係る事案②新規参入した事業規模の大きな事業者の給油所と周辺の販売業者の給油所との対抗的な値下げの事案③1年以内に注意を受けた給油所に係る実質的仕入原価割れの事案─を例示し、さらに繰り返し注意を受けた事業者に対して「必要に応じて販売価格、仕入価格等について報告を求めるなどして、問題がみられる場合には早期に対処する」と取り組みの強化を打ち出している。


北海道のガソリン価格予想
4月22日(月)から4月28日(日)まで
変わらず
仕切りにより、値上げも

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