2021事業年度に営業利益ベースで「赤字」だとした企業の割合が4年ぶりに増加。前年度を13・6ポイント上回る37・2%となっていたことが全国石油協会の「石油製品販売業経営実態調査」報告書で判明した。新型コロナウイルスの感染拡大で油外も含め販売数量、売上高ともに落ち込む中、厳しい経営を強いられた実態が浮かび上がる。
報告書によると、1企業当たりの年間総販売数量(直売・卸売)は、自動車潤滑油も含め4726kl。ガソリンが76・6%にとどまるなど、いずれも前年度を下回り、減少幅は1271klに。
総売上高も潤滑油、油外を含め5・9%、3592万円減の5億7421万9千円で、灯油、軽油、油外が前年度を上回る一方、ガソリン、A重油、潤滑油は前年度を下回った。
また、年間総粗利額は7870万6千円で、前年度比16・8%の大幅な減少。粗利率も過去10年で最高となった前年度を1・8ポイント下回って13・7%となった。
1SS当たりの月間販売数量は、平均でガソリン80・6kl、軽油35・0kl、灯油20・8kl、A重油5・2klなど。月間店頭売上高は、ガソリン1101万1千円、軽油408万9千円、灯油181万2千円、A重油40万6千円、油外147万7千円などで、合計では前年度比4・0%増の1891万9千円だった。
平均粗利単価(マージン)はレギュラーガソリンがフル17円90銭、セルフ14円20銭、灯油がフル18円60銭、セルフ14円、軽油がフル21円、セルフ18円80銭などとなっており、全油種でフルがセルフを上回った。
他方、営業利益ベースで「赤字」だとした企業は4年ぶりに増加し、前年度を13・6ポイント上回って37・2%。経常利益ベースでも10・0ポイント上回って22・5%となった。
営業利益ベースで赤字とした企業のうち62・4%は赤字額が500万円に満たないが、20・1%は500万円以上1000万円未満、5・1%は1000万円以上1500万円未満、11・9%は1500万円以上。一方で「黒字」とした企業も46・3%は黒字額500万円未満で、赤字企業と合わせると半数を大きく超す66・3%となり、依然として相当数の企業が厳しい経営を強いられていることが分かる。
運営するSS数別に見ると、1カ所運営企業の40・1%、2~3カ所運営企業の33・2%、4~5カ所運営企業の34・4%、6~9カ所運営企業の16・7%、10カ所以上運営企業の21・4%が赤字だとしており、いずれもその割合は前年度に比べ増加している。
=労務状況など他の調査結果は次号に=