
危険物施設が年々減少する中で、危険物施設事故件数はここ10年、小幅な増減はあっても500件台後半から600件台前半で高止まりし、関係者の危機感は根強いが、昨年も全国で発生した危険物施設事故は、火災、流出を合わせ641件となっていたことが消防庁の調査で明らかになった。調査を開始してから最も多かった前年を5件下回ったものの、危険物施設1万カ所当たりの事故件数は前年を0・03ポイント上回って16・59となっている。
消防庁がこのほど発表した「令和4年中の危険物に係る事故の概要」によると、昨年1月から12月までに全国で発生した危険物施設事故は641件となっている。
調査を開始した平成元年度以降で最も多かった前年の646件を5件下回ったが、危険物施設が前年より6261カ所減って38万6358カ所となる中、危険物施設1万カ所当たりの事故発生件数は前年を0・03ポイント上回る16・59となって過去最高となった。
このほかにも無許可施設で7件、危険物運搬中に12件の事故が発生しており、それらすべてを合わせると、危険物に係る事故は前年を7件下回って660件となる。
■ 火災事故
危険物施設で発生した火災事故は226件となり、前年を2件上回って過去最多となった。
これら事故による死者は前年比皆増の2人、負傷者は同数の36人で、損害額は43億円ほど下回る27億5094万円。施設別では、一般取扱所が152件で最も多く、これに給油取扱所の31件、製造所の29件、移動タンク貯蔵所の6件などが続いている。
出火原因物質は、40%を超す93件が第4類の危険物で、その内訳はガソリンなどの第1石油類が40件、重油などの第3石油類が23件、潤滑油などの第4石油類が13件、軽油や灯油などの第2石油類が11件など。
また、発生原因は半数を超す117件が維持管理や操作管理が不十分などの人的要因、82件が腐食疲労等劣化などの物的要因、27件が不明や調査中を含むその他の要因となっており、着火原因は高温表面熱が42件で最も多く、次いで静電気火花が38件、過熱着火が24件などだった。
なお、このほか無許可施設で5件、危険物運搬中に1件の火災事故が発生しており、これらも含めた危険物に係る火災事故は232件となる。
■ 流出事故
危険物施設で発生した流出事故は415件。前年を7件下回ったが、2年連続で400件を超すなど高止まりしている。
これら事故による死者はなく、負傷者も前年より10人減って18人だったが、損害額は8965万円上回って5億6638万円。施設別では、一般取扱所が121件で最も多く、これに屋外タンク貯蔵所の78件、給油取扱所の63件、移動タンク貯蔵所の55件、地下タンク貯蔵所の36件などが続いている。
流出した危険物は97%強の404件が第4類の危険物で、その内訳は第2石油類が147件、第3石油類が125件、第1石油類が95件など。
また、発生原因は火災事故と逆に、物的要因232件が人的要因138件を大きく上回り、物的要因では腐食疲労等劣化が127件、人的要因では操作確認不十分が57件で最多。その他の要因45件には風水害等17件、交通事故15件などが含まれている。
なお、このほか無許可施設で2件、危険物運搬中に11件の流出事故が発生しており、これらも含めた危険物に係る流出事故は428件となる。