根強く残る灯油の消費
SS中心のマルチハブ化を
2023.7.30

約40人を集め開かれた石油セミナー  
 【旭川】灯油販売事業者などに有益な情報を提供し、石油に関する理解促進を図ろうと石油連盟石油システム推進室は18日、旭川市内のホテルで「石油セミナー」を開催。特別講演を行った成城大学の平野創教授は、将来にわたって北海道では灯油の高い需要が残り、EVと内燃機関両方のパワートレインが併存する可能性が高いことを参加した約40人に訴えた。



 セミナーは北海道石油システム推進協議会、日本ガス石油機器工業会との共催。冒頭、セミナーを後援した旭川石協の後藤諭一理事長が「我々は現在の事業を今後も推進していくために変化に対応した見地で日々の仕事を考えていかなければならない」とあいさつしたのに続き、谷口純石油連盟石油システム推進室長が「石油は重要なエネルギー」として安定供給に向けた取り組み、日本ガス石油機器工業会の田村朗氏が石油燃焼機器の市場動向などを説明。

 このあと成城大学経済学部の平野創教授が「エネルギー・燃料油の将来像」と題し特別講演。燃料油需要は人口減少、低燃費化、電動化で残念な将来像だが、家計消費の観点から北海道では今後も灯油の消費が根強く続き、灯油は年収と逆相関にあることから、年収の低い高齢者世帯が増えると灯油を使う層が増える可能性があることを示唆し、全国一律に将来はこうなるということが北海道には当てはまらないと提言した。

 また、地方で生活を成り立たせるためSSを中心に燃料、郵便、宅配、小売りを一本化するマルチハブ化を絶対にしないといけないと強調。

 さらにカーボンニュートラルに関連し、EVのみで2050年カーボンニュートラルの達成は無理。EVと内燃機関両方のパワートレインが併存する可能性が高く、EV一辺倒の世界は絶対に来ない。薪を燃やし、石炭や石油を使ってきたが何も手放してはいない。用途や入手可能性、利用適性、レジリエンス等、いろいろな視点から評価すると、適切なエネルギーは全部違う。石油などを適材適所に使い続けることが重要だとした。

 なお、今月31日午後1時から札幌市内の札幌グランドホテルで住宅セミナーも開かれる。

特別講演する成城大学の平野教授


北海道のガソリン価格予想
6月9日(月)から6月15日(日)まで
価格下降
補助金投入で下落続くか

06月10日付ヘッドライン

■実勢反映、値下げ相次ぐ ガソリンは最大13円 道内35市燃料油納入価格
■大幅な値下げも顕著に 業者間に危機感 定額補助で道内各市場
■経年劣化対策を確実に LPガス事故防止へ道が保安方針
■好調車検、さらなる増販目指す 出光リテールセルフ北19条
■コーテュング増販順調 2カ月先まで予約 地崎商事八軒SS