水素社会到来が現実味
「7色」は虹になるのか
2023.8.10
 政府は6月、世界市場を視野に水素基本戦略を6年ぶりに改定した。国内の水素製造と海外からの水素輸入を合わせた水素導入量を2040年までに年間1200万㌧に拡大するという新たな目標を設定。水素のコスト目標は2030年に30円程度、将来的には20円程度と従来のままに据え置いた。水素の活用は各国も温暖化対策の手段として位置付けており、ドイツもロシアのウクライナ侵攻で陥ったエネルギー危機の解消に向け先月、水素の活用に向けた国家戦略を3年ぶりに改定した。


 水素をエネルギーとして活用する「水素社会」の到来が現実味を帯びてきている。水素は、臭いも色もないが、様々な原材料から生産されることで「色」が付けられている。

 再生可能エネルギーのみを用いて水を電気分解し生産するグリーン水素、化石燃料から製造するブルー水素、さらには天然ガスを反応室内でプラズマ照射するなどして生成するターコイズ水素。この3種類がクリーン水素と考えられている。これらは最終成分としてCO2を排出しない。原子力発電による電気エネルギーを用いて水を電気分解し水素を生産するパープル・ピンク水素もあるが、これはクリーン水素には含まれないようだ。ほかにも天然ガスや化石燃料から製造されるがCO2の分離を行わないグレー、ブラウン、ブラック水素がある。

 7色に分けられる水素。石油業界にとって雨上がりにかかる7色の虹のように燦然と輝いていくのだろうか。  (祐)


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12月15日付掲載予定

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