需要押し下げ要因多く
灯油商戦の「行方」心配
2023.9.15
 わが家がエアコンをつけたのは数年前のこと。たまたま訪れた家電店で、在庫一掃の破格値で売っていた。その時は買わずに帰ってきたが、その話をその日定期点検に来たハウスメーカーの技術者に話すと「格安で付ける」と言うのでその日にもう1度行って買い求めた。それからは冷房や補助暖房として使ってきたが、今年ほどその有難みを感じたことはない。

 今年の夏は、それこそ異常と言えるほどの猛暑だった。本道では最高気温が30度以上の「真夏日」が観測史上最長の44日連続を記録し、熱中症警戒アラートが道内全域に発令された日もあった。また、札幌市では最高気温記録を更新。冷房のない小中学校などでは臨時休校や時間短縮授業を実施し、熱中症の疑いで救急搬送される人が連日続いた。

 札幌管区気象台が発表した3カ月の気温見通しでは、9月は平年より高く、10月は平年並みか高めで、11月は平年並みと今年は暖冬が予想されている。10月が本格需要期入りとされる灯油商戦が気になるところだ。4月までと短い本格需要期の入り口でつまづくと、回復が困難になる。

 ここ数年、暖冬で販売数量が減る一方、採算販売で口銭が確保でき、量×質で「そこそこの成果を残せた」が、今年はどうか。様々なモノが値上がりし、灯油価格もプライスリーダーのコープさっぽろが1日から引き上げた。値上げに伴う節約志向で需要の減退も心配されるが、来年の春に笑って話せるシーズンにしたいものだ。   (祐)


北海道のガソリン価格予想
5月5日(月)から5月11日(日)まで
価格下降
仕切り価格下落か

05月10日付掲載予定

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■期待失せ盛り上がり欠く 価格高騰が追い打ち GW商戦
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■市町村・特別区で97%に 地方公共団体の非常用電源設置
■好調車検「まだまだ取る」 道エネ東白石SS