札幌市場ではフル173円
原油価格の下落で元売仕切り価格は今月に入り2週連続で下落したが、国の燃料油価格激変緩和事業による補助金との兼ね合いで実質的には10月第3週から4週連続で上昇。それを受け道内主要市場では値戻しも含めた転嫁が進み、札幌市場では今月第2週後半にも2円程度の値戻し、転嫁が進展、レギュラーガソリン看板価格はセルフで再び170円台に乗った。
国の燃料油価格激変緩和事業の拡充に伴い、補助金を織り込んだ実質的な仕切りが9月第2週から6週連続で下落。その間、道内主要市場のレギュラーガソリン看板価格は、未達を抱えながらもほぼ仕切りどおりに20円ほど値下がりし、石油情報センターの小売市況調査で本道平均が2週連続全国最低となるなど「下げ過ぎ」が指摘される状況にもなっていた。
その後、10月第3週以降は仕切り価格が2週連続で上昇、一転、今月に入って2週連続で下落したものの、国の燃料油価格激変緩和事業による補助金を織り込むと実質的には4週連続の上昇となり、それを受けて道内主要市場では値戻しも含めた転嫁が進展した。
札幌市場では10月第4週早々に2円程度、後半に3円程度、今月第2週後半にも2円から最大で8円となる値戻し、転嫁が進み、レギュラーガソリン看板価格は量販店を除いてフル173円、セルフ170円大勢にまで持ち上がった。
こうした状況は、他市場でもほぼ同様。今月第3週に入り、上値は重いものの旭川や帯広、釧路などでも値戻し、転嫁がさらに進んでいる。
ただ、そうした中で口銭は、一部を除き経営安定化に最低限必要と言われる17円を上回りつつあるが、値取りへの不足感を口にする販売業者が意外に多い。仕切り上昇分は何とか転嫁しても、諸物価高騰による経営コスト上昇分の転嫁が全くできていない、ということからのようだ。
他業種では、原材料費高騰分などの価格転嫁が頻繁。今後、石油業界では仕切りに加え、コストも視野に入れた市況構築が必要となっていく。
セルフ170円看板が大勢
北海道のガソリン価格予想
11月27日(月)から12月3日(日)まで
価格上昇
仕切上昇分を転嫁か
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