市況維持への苦悩深く
「転嫁」直後の値下げも
2023.12.20

札幌市場にはフル177円
 道内各市場では10月下旬以降、国の補助金を織り込んだ元売仕切り価格の実質的な上昇を受け転嫁を進めるが、早ければ翌日にも値を下げる量販店とのからみで市況維持に苦慮する市場が多く、需要の減少と口銭の目減りといったダブルパンチに販売業社の顔色はさえない。


 道央圏の札幌では今月1日、2円程度の転嫁が進展し、レギュラーガソリン看板価格はフル177円、セルフ174円大勢へと持ち上がった。13日現在、多くの販売業者はそれを維持し、比較的安定した市況を形成するが、160円台前半の看板を掲示する量販店への対抗で、一部に6円ほど値下げする動きも。

 また、札幌とほぼ同水準で動く苫小牧でも、量販店やフリートの値下げを端緒に6、7円の軟化が進んでいる。

 道北圏では、フル176円、セルフ173円で動く名寄や、フルで180円台に乗せた稚内などは安定した市況を形成するが、旭川では今月4日の転嫁以降、量販店の安値に引きずられ6円ほど値崩れ。セルフは166円大勢だが、量販店周辺では162円も出る。

 道東圏で、転嫁が遅れていた帯広では今月5日と12日、ほぼすべての販売業者が値上げに動いたことでフル177円、セルフ168円大勢まで持ち上がったが、値を下げる量販店に苦慮。釧路では量販店間の価格競争もあって、なかなか市況が定まらず、北見もジリ安で推移してセルフは170円を割り込んだ。

 道南圏で函館は、値上げへの意欲が伝えられながらも先月末からフル171円、セルフ168円のまま。室蘭では今月4日の転嫁以降、量販店周辺を中心に、セルフで5円程度の軟化が進む。

セルフ174円看板も残る


北海道のガソリン価格予想
12月8日(月)から12月14日(日)まで
価格上昇
11日補助金増額で値下げ

12月15日付掲載予定

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