
中小企業庁は、中小・小規模事業者の官公需受注機会増大に向けた地方公共団体の措置状況を調査し、その結果をこのほど公表した。令和4年度の中小企業などによる契約額は12兆6735億円で、予算総額に対する契約率は72・2%と前年度より1・0ポイントダウン。本道での契約率は76・1%と全国を3・9ポイント上回り、調査対象となった北海道と9市すべてが石油組合と燃料供給協定を締結、このうち北海道と4市は随意契約を行っている。
中小企業庁の「地方公共団体による中小企業者の受注機会の増大のための措置状況等調査」は47都道府県、人口10万人以上の全国259市、東京都23特別区を対象に実施したもの。
これら調査対象となった都道府県などの官公需予算総額は、昭和50年代から徐々に増加し、平成元年度は15兆5582億円。7年度に23兆5242億円とピークを迎えてからは減少に転じ、22年度には11兆7726億円と7年度の半分にまで減少したものの、その後再び増加に転じて令和4年度には17兆5451億円まで回復している。
このうち中小・小規模事業者向け契約額は平成元年度が10兆9795億円で、総額に占める割合は70・6%。7年度は16兆1988億円、68・9%、予算が大きく減少した22年度は8兆8909億円にとどまったものの75・5%と高い契約率を達成し、令和4年度は12兆6735億円、72・2%と、契約率で22年度を3・3ポイント、前年度を1・0ポイント下回った。
本道では、北海道と人口10万人以上の札幌、函館、小樽、旭川、釧路、帯広、北見、苫小牧、江別の9市を合わせた令和4年度予算総額が前年度比13・6%増の1兆158億円、中小・小規模事業者向け契約額が7・1%増の7731億円。契約率は76・1%と全国平均を3・9ポイント上回ったが、前年度を4・6ポイント下回った。
内訳は北海道が4270億円に対し3312億円の77・6%、9市が5888億円に対し4419億円の75・1%。北海道は前年度より4・0ポイント、9市も4・3ポイント下回った。
また、北海道と9市いずれも中小・小規模事業者の受注機会増大のため何らかの措置を講じ、旭川など3市はそれを条例で、北海道と5市(条例と重複含む)は契約方針で措置。発注地域内に本店または営業所を有する者といった地域要件の設定などを行っている。
そのすべてが石油組合と災害時の燃料供給協定を締結。帯広市は平時からの燃料供給協定を締結しており、苫小牧市は分離・分割発注、4市は随意契約を行っている。
なお、新規中小企業者受注機会増大のための措置として、北海道と3市は、一般競争入札で過去の実績を過度に求めないこととしている。