札幌市場ではフル172円
コロナ禍の影響が薄らぐ一方で価格の高騰が重しとなり、思いのほか伸びてこない油販。そうした中で健全経営を担保する適正マージンの確保は従前にも増して重要な課題となってきているが、道内主要市場では今、一部量販店の安値に引きずられる形で仕切を大きく上回る値下げが相次ぐ。冴えない販売業者の表情には危機感もにじみ出てきた。
札幌市場では、昨年末に3円程度の底上げが進み、レギュラーガソリン看板価格は量販店を除いてフル181円、セルフ178円大勢にまで持ち上がったが、以降、じり安で推移。
181円看板も残る中で年明けの今月第2週後半、大幅値下げに動いた販売業者の多くがフル178円、セルフ175円にまで値を戻したが、国の補助金を織り込んだ実質的な元売仕切り価格が90銭の下落となった今月25日には、バラツキが目立ちながらもフル172円、セルフ169円が中心値となり、累計で3円弱の実質仕切り下落に対して、実勢では9円ほどの下落となった。
ある販売業者は「10円近い開きのある量販店の安値が波紋となって徐々に広がってくる。棲み分けを決め込んでも、10円差のままでは何とも居心地が悪い」と話すが、単純計算で6円のマージン減少となっているのが現状だ。
こうした状況は、道内主要市場いずれも似たり寄ったり。
帯広では、フルこそ180円看板を出すが、セルフは162、3円が主流で、旭川でも量販店が出す150円台中盤の価格に引きずられ、セルフは162円大勢にまで落ち込んでいる。
帯広では各販売業者の値戻しに対する意欲が旺盛とも伝えられるが、今こそが業界にとっての岐路。原点に立ち返り、採算販売に徹する強い覚悟が必要になる。
セルフ169円が中心値に
北海道のガソリン価格予想
6月30日(月)から7月6日(日)まで
価格上昇
仕切上昇
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06月30日付ヘッドライン
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