流通秩序の適正化推進
難局乗り切りへ総力
2024.3.5

札幌石協の通常総会
 道内18石協のうち1月から12月までを事業年度とする札幌石協など9石協の令和6年度通常総会が今月20日から始まり、27日までにすべて終了。流通秩序の適正化や官公需の拡大などを盛った事業計画を決めるなどし、新たなスタートを切った。     =一部は次号に掲載=

札幌石協

 北海道石油会館で開かれた札幌石協(荒井喜和理事長)の令和6年度通常総会では、はじめに荒井理事長があいさつ。昨年を振り返り、新型コロナウイルス感染症の5類移行に伴うサマーフェスティバルやボウリング大会など組合員が一堂に会しての行事復活を喜びながらも「まだまだ課題は山ほどある」とし、働く人達のためにも総力を結集して、それら課題解決に努力していくべきことを訴えた。

 このあと阿部強理事を議長に4議案を審議。令和5年度事業報告、決算など報告案件いずれも原案どおり承認するとともに、令和6年度事業計画、収支予算についてもともに原案どおり決めた。

 事業計画では「持続可能な経営に向け適正利潤を確保し、時代の変化に乗り遅れることのないよう前を見据えることが肝要」などとして経営安定化対策の推進やSS等に係る勉強会、セミナーの開催などを盛ったほか、官公需共同受注事業の推進やサマーフェスティバル、ボウリング大会の実施なども盛り、収支予算には共同受注事業を含め7億9112万円を計上した。

 通常総会ではまた、先の役員会で能登半島地震被災者に義援金20万円を贈ることを決めたことも事務局が報告した。

旭川石協

 【旭川】市内のホテルで開かれた旭川石協(後藤諭一理事長)の通常総会では、任期満了に伴う役員の改選で、後藤理事長を再選した。

 後藤理事長は冒頭のあいさつで、原油価格の高騰などを取り上げて「こういった局面の中できちんとした採算販売をやっていくことが、災害対応力を含めた持続可能な業界として社会的使命を果たしていく最大のポイント」だと強調し、その実現に向けた組合活動への理解、協力を求めた。

 このあと上倉善身副理事長を議長に本年度事業計画、収支予算など諸議案を審議し、いずれも原案どおり決定した。

 事業計画では、当面の課題として収益率を高めた適正な利潤の確保や災害時に機能する訓練などを挙げ、それらに対応した事業実施のほか、平成19年から地域貢献活動として進めている廃食用油回収事業の継続も提起。

 また、9月には道北ブロック5石協連絡会議を旭川市で開催することとし、その経費なども盛り込んだ収支予算には決算額を約10万円上回る約841万円を計上した。

 任期満了に伴う役員改選では、後藤理事長(五東石油)とともに、谷口清貴氏(道北振興)、上倉氏(日東石油)の副理事長留任も決めた。

帯広石協

 【帯広】市内のホテルで開かれた帯広石協(平征浩理事長)の第71回通常総会では冒頭、平理事長があいさつ。顕在化する人手不足にも言を進めた上で「今回の能登半島地震でも、寒さをしのぐ灯油やガソリンの確保が人命に直結することを目の当たりにした」とし、さらに「我々はどのような環境でも常に安定供給をモットーに、地域に根差した企業として貢献していく」と、決意の一端を披瀝した。

 このあと伊藤康典理事を議長に令和5年度事業報告、決算報告、令和6年度事業計画、収支予算など7議案を審議し、すべて原案どおり承認、決定。また、任期満了に伴う役員改選も行い、理事24氏、監事2氏を選出した上で、平理事長(宮本商産)と梶竹征(シミックス) 、青柳照夫(専務理事)両副理事長をいずれも再選した。

 事業計画では、石油製品の流通実態を踏まえた公正な競争環境の推進など市場正常化、経営安定化に関する活動や、組合員の知識・技術の向上を目的とした研修、官公需適格組合資格獲得による営業推進などを盛り、それら事業の展開に充てる収支予算には決算対比193万円増の1895万円余りを計上した。

北見石協

 【北見】市内のホテルで開かれた北見石協(原谷真人理事長)の通常総会では、あいさつした原谷理事長が業界の存続と地位向上のためにも適正マージン確保が重要であることを強調した。

 原谷理事長は、2050年カーボンニュートラル問題や燃料油価格激変緩和事業の出口対策、公平な課税、人材確保、災害対応力強化、大手廉売業者対応などを課題として示し、業界の存続や地位向上のための適正マージン確保、規制緩和を利用したSS機能拡大の試み、補助金などの有効活用、新たな事業の模索、さらに同業者の連携強化の実現に向け「多くの課題、難題を組合内外の協力者と解決していきたい」と結束を呼び掛け、協力を要請した。

 原谷理事長を議長とした議案審議では、令和6年度事業計画など6議案すべて原案どおり決定。 事業ではSSの地域インフラとしての安定供給や健全経営が重要だと位置付け、災害時における燃料供給対策の推進や人材育成等に関する指導のほか道東地区石協との連携・協和などを計画。収支予算には決算を約40万円下回る約1234万円を計上した。

胆振石協

 【室蘭】市内のホテルで4年ぶりに開かれた胆振石協(濱中實理事長)の通常総会では冒頭、濱中理事長があいさつ。中では新型コロナウイルス感染症の5類移行に伴うインバウンドの回復や国内での移動の活発化で「燃料油の販売数量は徐々に右肩上がりとなっていくことが想定される」としながらも、安定化には今少しの時間が必要、との見通しも示した。

 続いて栗本茂生理事を議長に令和5年度事業報告、決算報告、令和6年度事業計画、収支予算など5議案を審議し、いずれも原案どおり承認、決定。また、任期満了に伴う役員改選も行って新任1氏を含む理事15氏、監事2氏を選出し、通常総会終了後の第2回理事会で、濱中理事長(室蘭菱雄)のほか村井映一(河辺石油) 、伊藤義則(伊藤石油)両副理事長もともに再選した。

 事業計画では、組合員の相互信頼と団結協調体制の確立、官公需適格組合証明活用と共同受注事業の推進など8項目を重点事業活動として盛り、収支予算には共同受注事業を含めて3億5400万円余りを計上した。

 なお、今年で創立70周年を迎えることから事務局は、顧客への記念品配布も含めたアイデアの持ち寄りを求めた。

空知石協

 【滝川】市内のホテルで開かれた空知石協(河合正三理事長)の第68回通常総会では冒頭、河合理事長があいさつ。4月末に予定される燃料油価格激変緩和事業の終了に当たっては価格の高騰による競争の激化が予想されると危機感をにじませながら「しっかりとマージンを確保してほしい」と訴えるとともに、大規模災害の頻発にも触れて「マージンの確保が事業の存続と従業員を守ることにつながる」とした。 
 
さらにカーボンニュートラルの流れの中でも、最近は電気自動車への移行が鈍化していることから「石油業界はまだまだ成長できるはずだ」とも述べ、奮闘を促した。

 このあと千徳晃己副理事長を議長として議案審議に移り、昨年度の事業報告、収支決算などを承認するとともに、本年度の事業計画や収支予算なども決定した。

 事業計画にはこれまでと同様、流通秩序の適正化や異業種の進出に対する諸対策などに加え、官公需対策の推進や資材共同購入の拡充強化、組合員に対する情報提供の推進、労働環境改善対策なども盛り、収支予算には決算対比微減の644万円余りを計上した。

宗谷石協

 【稚内】市内の飲食店で開かれた宗谷石協(菅原耕理事長)の通常総会では冒頭、菅原理事長があいさつ。手ぬるいと言われている日本の脱炭素政策も、裏を返せば「我々の業界が扱っている商品が国にとって重要だということを示している」ものだとし、 「カーボンニュートラルの流れの中で大変なことも多いが、これまで積み重ねてきた実績と皆さんの協力で乗り越えていきたい」などと訴えた。

 そのあと菊佳親理事を議長に令和6年度事業計画、収支予算など7議案を審議。いずれも原案どおり承認、決定し、さらに任期満了に伴う役員の改選も行った。

 事業計画には、支部連絡会議(浜頓別)の開催や道北ブロック5石協連絡会議(旭川)への参加などに加えて、流通秩序の適正化、第26回灯油まつりの実施、官公需受注事業の拡大、ガソリンギフト券の販売促進なども盛り、収支予算には共同受注事業を含め決算対比大幅増の4億3780万円余りを計上した。

 任期満了に伴う役員改選では、菅原理事長(瀬戸漁業)のほか、副理事長の安田龍平氏(安田石油店)、中居利文氏(ホクタン)を再選。併せて森山勝彦事務局長の専務理事昇格も決めた。


旭川石協の通常総会

帯広石協の第71回通常総会

北見石協の通常総会

胆振石協の通常総会

空知石協の第68回通常総会

宗谷石協の通常総会


北海道のガソリン価格予想
5月13日(月)から5月19日(日)まで
価格上昇
一部に値戻しの動き

05月20日付掲載予定

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