市況維持へ苦悩続く
マージン縮小に危機感
2024.6.25

札幌ではフル169円
 道内主要市場では5月下旬、国の補助金を織り込んだ実質ベースでの元売仕切り価格上昇を受けて値戻しが進展。札幌圏のレギュラーガソリン看板価格はフル175円、セルフ172円大勢へと持ち上がったが、量販店の値下げに引きずられる格好での値崩れが依然として治まらず、販売業者間には諦観とともにマージン縮小への危機感が一層強まりつつある。


 札幌を中心とした道央圏では、国の補助金を織り込んだ実質ベースでの仕切り価格上昇を受けて5月第4週後半から量販店も含む販売業者のほぼすべてが最大13円にもなる値戻しに動き、レギュラーガソリン看板価格はフル175円、セルフ172円大勢へと持ち上がった。

 しかし、土・日曜日を挟んで3日後、量販店が5円ほど値下げし、近隣のSSがそれに引きずられ追随すると、お決まりの値崩れへと進展。今月17日現在、175円看板を掲げるフルも少なからずあるものの、フル169円、セルフ166円が中心となりつつあり、中には量販店に対抗し160円台前半の価格を掲げるフルも出てきた。

 この間、仕切り価格は実質で据え置き、10銭値下げ、据え置き、10銭値上げで推移し、トータルでは横ばい。単純に考えれば、マージンが6円以上減る計算になる。

 ある販売業者は「価格が高止まりする中で、量販店と10円以上もの価格差が付くのは顧客の流出にもつながりかねず看過できない」と話し、値下げに対する諦めを決め込むが、マージン縮小への危機感は極めて強い。

 こうした状況は函館や旭川、帯広など他市場でも同様で、最近、市況の安定が口端に上る帯広では「とんでもない、安定などといった言葉は使いたくもない」との反発が販売業者の偽らざる心情のよう。値戻し、底上げへの意欲が旺盛とも伝わるが、苦悩は今しばらく続きそうだ。

セルフ166円看板も


北海道のガソリン価格予想
12月8日(月)から12月14日(日)まで
価格上昇
11日補助金増額で値下げ

12月10日付ヘッドライン

■ガソリン、軽油大幅値下げ 道内35市燃料油納入価格
■事業承継、支援スキルの向上図る 道経産局がワークショップ
■「商業」では53.4%に違反 道労働局の昨年の監督指導
■地域密着志向が増収引き寄せ 道エネチャレンジ手稲
■用品の拡販にも注力 前側石油本通SS