以前「我々が若い頃は車で無駄に街中を走っていた」と話すＳＳの所長がいた。 「それしか楽しみがなかったから」だとも。今言われる若者の車離れにはこの「楽しみ」が大きく影響していると思われる。それしかなければ競争心が芽生え、車の知識も含め様々なことを行うが、スマホだゲームだと楽しみがたくさんあると、車に対する興味を持つ人も少なくなるのだろうと思う。

　昭和の車好きが使っていた車用語はもはや死語という記事を見た。①ノークラ②エンコ③キャブ④チョーク⑤シャコタン⑥カニ走り⑦逆ハン⑧セコハン⑨岡（おか）サーファー⑩クラゲ。これら相当数を知っていたら昭和世代の車好きおじさんだそうだ。何となく聞いたことがある気はするが、さすがに「竹槍」や「出っ歯」というのは知らなかった。竹槍は上向きに長く伸び竹槍のように切り口が斜めになっているマフラーのことで、出っ歯はフロントバンパー下に装備される前方に大きく突き出したチンスポイラーというエアロパーツの俗称。これはともに族車のカスタムで、これを知っている人は相当の走り屋さんだったのかも。

　今の若者には、これと同じように、通にしか分からないゲーム言葉があるのかもしれない。ただ、昭和の若者の車に対するような盛り上がりではないと思う。我々昭和世代には昭和の車のように車好きだけではなく、普通の人も車に興味があったような、そんな盛り上がりの再来が待ち焦がれてならない。 （祐）