「採販」への努力なおも
札幌などで値戻し進展
2024.11.5

札幌市場ではフル176円
 ここしばらく国の燃料油価格激変緩和事業による補助金を織り込んだ実質的な仕切り価格の上下動とはほぼ無関係に「値戻し」と「値崩れ」とを繰り返す道内主要市場。札幌市場では今月第4週後半から値戻しが進展し、レギュラーガソリン看板価格はフル176円、セルフ173円大勢まで持ち上がったが、市場には「どうせ…」といった諦観も広がる。

 9月以降、札幌市場では第1週早々に最大で13円にもなる大幅な値戻しが進展。翌第2週早々には燃料油価格激変緩和事業による補助金を織り込んだ実質的な仕切り上昇分1円20銭に未達分も乗せた2円程度の底上げが進み、レギュラーガソリン看板価格はフル177円、セルフ174円大勢まで持ち上がったが、市況適正化への努力、期待もそこまで。

 実質ベースでの仕切り価格が小幅ながらも上昇する中で、この月最初の3連休をきっかけに7円程度の値崩れが散見されるようになり、以後、2回目の3連休直後、10月第2週後半に値戻しが進展したが、一部量販店の攻勢に端を発し、同心円的に広がる値崩れも付いて回った。

 今回、10月第2週から3週分の実質的な仕切り下落90銭を加味し、フル176円、セルフ173円大勢までの値戻しとなったようだが、ある販売業者は「どこかで誰かが売価を下げたら、不本意ながらも追随するしかない。今回もすぐに崩れるのだろう」と諦めを決め込む。ただ、光熱費や人件費など販売コストが増加する中で、全石連が目標として掲げる「粗利20%」に遠く及ばない現状には、言葉にならない焦燥感もあるようだ。

 こうした状況は、29日から2~4円程度の値戻しが進んだ函館や、値戻しや底上げへの機運が旺盛だと伝わる旭川などでも同様。

 適正市況の構築、適正利潤の確保に向けた努力は続くが、同時に諦観が広がってきているのも現状のようだ。

セルフ173円まで値戻し


北海道のガソリン価格予想
7月28日(月)から8月3日(日)まで
価格上昇
上昇のあと、徐々に下げ方向で

08月05日付掲載予定

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