BCPの策定を後押し
手順や留意点など示す
2024.11.10

研修会には藤田理事長も含めて6人が参加、説明に耳を傾けた
 【苫小牧】頻発する自然災害のみならずサイバー攻撃や感染症なども含めて企業を取り巻く経営リスクは極めて多いが、そうした緊急事態への備えとなる事業継続計画(BCP)を策定する企業は、中小企業庁などの積極的な呼びかけにもかかわらず意外に少ない。そうした中、いち早く組合としてのBCPを策定した苫小牧石協(藤田健次郎理事長)が組合員を対象とする「BCP研修会」を開催、策定への「方途」を提供し広がりを目指した。


 苫小牧石協が初めてとなるBCP研修会の開催を決めたのは、策定の有無などを問うた事前のアンケート調査で、セミナーなどの受講希望が一定程度あったため。被害を軽減し、早期の復旧につなげるBCPは、災害時におけるエネルギー供給の「最後の砦」となる石油販売業者にとって不可欠であり、また、企業価値や信頼度を上げるためのツールになることや国の補助金支給の要件になっていることなども視野に入れたものだった。

 10月29日に苫小牧石協会議室で開催した研修会は、北海道中小企業団体中央会とも連携。講師は中央会派遣講師でもある戦略経営ネットワーク協同組合理事長の赤羽幸雄氏が務めた。

 赤羽氏は、東日本大震災の6倍を超す被害が想定される日本海溝・千島海溝沿い巨大地震の発生が高い確率で予測されていることなどにも触れてBCPの必要性を重ねて強調。BCPを「不測の事態が発生しても重要な事業を中断させない、中断しても可能な限り短い期間で復旧させるための方針、体制、手順などを示した計画」だとし、業務の改善・効率化にもつながるという策定の効果などにも触れながら、策定手順を説明した。
 中では重要業務の検討について「やらないことを決めるのも大切」だとしたほか、被害想定はハザードマップの確認から行うこと、対策は初動の対応と復旧・復興のための活動とを想定し検討すること、緊急時の連絡手段はLINEを除き3つくらい用意することなどを提起。さらに中小企業庁の策定運用指針を利用する場合には「必ず入門コースからやるべき」ことなども訴えた。

 赤羽氏はまた、防災計画とBCPとの中間に位置し、経済産業大臣の認定制度がある事業継続力強化計画にも言及。単独型のほか、単独では対応できない部分を企業(組合)相互に支援しあう連携型のメリットなども説明した。

BCP策定の手順にも触れて説明する赤羽氏


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7月28日(月)から8月3日(日)まで
価格上昇
上昇のあと、徐々に下げ方向で

08月05日付掲載予定

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