オイルショックに学べ
エネの安定確保不可欠
2025.9.10
 昭和48年の晩秋、全国のスーパー店頭からトイレットペーパーや洗剤が消えた。この年の10月に勃発した第4次中東戦争がきっかけとなり、OPECが原油の供給制限と輸出価格を大幅に引き上げたことで原油価格が3カ月で4倍にまで高騰。石油の供給が途絶えるという不安感から買占めなどにつながった第1次オイルショックである。現在でも、石油の供給が途絶えたら生活が成り立たなくなることは容易に想像できる。

 我が国の原油輸入量は2023年度で1億4480万kl。第1次オイルショック時に比べると半減しているが、それでも中東依存度は94・7%と高止まりし、輸入先はアラブ首長国連邦とサウジアラビアがそれぞれ全体の約40%を占めている。これら産油国から日本へは大型タンカーでホルムズ海峡とマラッカ海峡を通って運ばれてくる。この量は原油輸入量の8割に上る。

 この重要なマラッカ海峡で船をねらう海賊や武装集団が急増しているという報道があった。海賊なんて昔物語と思うが、そうでもない。2014年に日本国籍のタンカーがマラッカ海峡付近で海賊に襲撃され、積んでいた軽油が盗まれて乗組員3人が連れ去られるという事件が発生している。今年上期では前年の3・8倍となる80件の事件が発生しているそうだ。

 我が国では6月末でIEA基準の213日分を43日上回る256日分の備蓄をしているが、それでもエネルギーの安定的な確保が何より重要となる。 (祐)


北海道のガソリン価格予想
9月8日(月)から9月14日(日)まで
変わらず
仕切り値上げも

09月10日付ヘッドライン

■12市が改定見送る、ガソリンは多くが値上げ 道内35市燃料油納入価格
■増販への努力結実 夏商戦「意外に良かった」
■道内中小認定率2.42% 事業継続力強化計画
■影響あり漸減92.2% 道が原油・原材料価格高騰で調査
■「徐々」より「劇的」な拡販模索 中和石油セルフ簾舞